「バジェット」は海外ビジネスで同じ意味?

英語だと思ってた!和製英語30選(ビジネス編)

「バジェット」は海外ビジネスで同じ意味?

はじめに|数字の話ほど誤解が許されない

「今期のバジェットは厳しいですね」
「この施策、バジェット内で対応できますか?」

日本のビジネスシーンでは、ごく自然に使われる「バジェット」。
英語の budget が元になっているため、
「海外ビジネスでもそのまま使える言葉」だと思われがちです。

しかし実際には、日本語の「バジェット」と英語の budget には、
意味の範囲と責任の重さに違いがあります。


英語の budget は「公式に決められた金額」

英語の budget は、

  • 正式に承認された予算
  • 使途と上限が明確な金額
  • 責任者が存在する数字

を指します。

そのため budget という言葉を使うと、
「すでに承認済み」
「変更には正式な手続きが必要」
というニュアンスが含まれます。


日本語の「バジェット」とのズレ

日本語の「バジェット」は、

  • 目安の金額
  • 想定予算
  • 仮の上限

といった、かなり幅のある意味で使われることが多い言葉です。

しかし英語で、

What is the budget?

と聞くと、
「確定予算はいくらか?」
とストレートに受け取られます。

まだ検討段階であれば、
この表現は強すぎる場合があります。


海外ビジネスで起きやすい誤解

日本語の感覚で、

We don’t have enough budget.

と言うと、
「正式予算が不足している」
「承認済みの金額を超えている」
と受け取られることがあります。

単に
「想定よりお金がかかりそう」
という意味では伝わりません。


英語での自然な言い換え表現

英語では、予算の確定度に応じて言葉を使い分けます。

よく使われる表現

  • budget(正式・承認済み予算)
  • estimated cost(見積もり金額)
  • projected cost(予測コスト)
  • cost range(想定レンジ)
  • spending limit(支出上限)

検討段階では estimated / projected が非常に重要です。


実践例|会議・メールでのNGとOK

❌ NG例(日本語感覚)

The budget is tight.

→ 公式予算の話に聞こえる。

⭕ OK例(自然なビジネス英語)

The estimated cost is higher than expected.
We need to review the projected budget.

正式決定後であれば、

This is within the approved budget.

と表現できます。


日本と海外の「予算」に対する考え方の違い

日本では、

  • 多少の調整は後で
  • 柔軟にやりくりする
  • 現場判断が入る

といった文化があります。

一方、英語圏では、

  • 承認前と承認後を明確に分ける
  • 予算超過は重大事項
  • 記録と説明責任が重要

という考え方が一般的です。


正しく使い分けると信頼が高まる

海外ビジネスでは、

This is an estimate and subject to change.

と一言添えるだけで、
「まだ確定ではない」
という前提を共有できます。

budget を安易に使わないことは、
金銭トラブルを防ぐ重要なスキルです。


まとめ|「バジェット」は確定度を意識する

  • budget は英語では正式・承認済みの予算
  • 日本語の「バジェット」とは意味の幅が違う
  • estimated / projected cost を使い分ける

和製英語を正しく理解することで、
数字に強いビジネス英語が身についていきます。

出典・参考資料

  • Oxford Learner’s Dictionaries
  • Cambridge Dictionary
  • 研究社 新英和大辞典
  • Harvard Business Review(予算管理・財務コミュニケーション関連記事)