色について学ぶ30日 ― 色を知ると世界がもっと楽しくなる
【Day19】Webデザインにおける色の使い方 ― クリック率と信頼を左右する“色の戦略”
Webデザインにおいて 色は最重要要素のひとつ です。
なぜなら、色はユーザーに
- 「信頼できるサイトか」
- 「読みやすいか」
- 「どこをタップすべきか」
- 「どんな世界観なのか」
を数秒で判断させる“最初のメッセージ”だからです。
今日は、プロが実践している Webデザインにおける色の基本ルールと心理効果 を紹介します。

■ 1. ベースカラー・メインカラー・アクセントカラーを決める
Webデザインでは、まず 3色で構成する のが基本です。
- ベースカラー(背景)…70%
- メインカラー(コンテンツ色)…25%
- アクセントカラー(強調)…5%
これは有名な 配色黄金比(Day16) の応用です。
例:
- 白(背景)
- 青(メイン)
- オレンジ(CTAボタン)
この3色だけで、信頼性の高いWebデザインになります。
■ 2. “色の心理”をUIに活かす
● 青 → 信頼・誠実
銀行・IT企業・行政サイトの定番。
リンク色(青)として世界的に認識されている。
● 赤 → 行動・注意
購入ボタン・削除ボタン・緊急通知など、
ユーザーの「アクション」を促す色。
● 緑 → 安心・承認
完了メッセージ・OKボタン・チェックアイコンなどに。
● 黄色 → 目を引く・親しみ
広告バナーの強調色によく使われる。
● 黒 → 高級感・洗練
ブランドサイトや商品LPで効果的。
色の選び方ひとつで、ユーザーの行動が変わるのがWebの世界です。
■ 3. CTA(行動ボタン)は“1色に統一”すると効果が高い
CTAとは「Call To Action」=行動ボタンのこと。
例:
- 購入する
- お問い合わせ
- ダウンロード
- 登録する
ボタンの色が複数あると、ユーザーは迷います。
ボタンの色は1色に統一するのが鉄則です。
さらに、周囲とコントラストをつけることでクリック率が上がります。
■ 4. 背景色は“読みやすさ”を最優先に
背景は「白か薄い色」が基本。
理由は、文字の可読性と視認性を最大化するためです。
背景×文字の最適組み合わせ:
- 白 × 黒(最高の可読性)
- 生成り × ダークグレー(優しい印象)
- 薄グレー × 濃紺(洗練)
黒背景 × 白文字 はかっこよいですが、目が疲れやすいため用途を選びます。
■ 5. 信頼性UP!色の一貫性を保つ
サイト内で色がバラバラだと、ユーザーは不安を感じます。
- ページごとにボタンの色が違う
- コンテンツによって差し色が変わる
- ブランドカラー以外の色が突然出てくる
こういった事例はUX(ユーザー体験)を大きく損ないます。
重要なのは、
「一貫した色のルールがサイト全体にある」 こと。
企業サイトはこれが徹底されています。
■ 6. 配色パターンを使うとプロっぽさが出る
● 類似色でまとめる(Day4)
青 → 青緑 → 緑
→ 優しい・自然なイメージ
● 補色で強調
青 × オレンジ
→ CTAを目立たせたい時に最適
● トライアドでバランス良く
赤 × 青 × 黄
→ 教育サイト・子ども向け・ポップなデザインに
■ 7. 色数が増えるほど、デザインは崩れる
Webでは
3色 + 無彩色(白・黒・グレー)
が基本です。
多色は視線を散らし、迷わせます。
「使う色を減らす=洗練さが増す」というのはWebの鉄則です。
■ 8. 色で“読みやすさ”と“行動しやすさ”が決まる
色には強い“導線効果”があります。
- 青 → リンクと認識
- 赤 → 注意
- 緑 → 安心・OK
- 黄色 → 強調
- 無彩色 → 読みやすい背景・ボディ
色を正しく使うだけで、
サイトは自然と読みやすく、行動しやすく、信頼されるものになります。
▼ まとめ
- Webデザインは「3色構成」が基本
- CTAの色は統一し、コントラストを強く
- 背景は白 or 薄い色で“読みやすさ”を最優先
- 色の心理は行動を左右する
- サイト全体で色のルールを統一すると信頼感UP
- 多色はNG、色は少ないほど洗練される
色が整っているサイトは、必ず“使いやすいサイト”になります。
▼ 出典・参考
- Nielsen Norman Group(UX色彩ガイドライン)
- Google Material Design 色彩規定
- Adobe Color Web UI実例
- W3C WCAG(コントラスト基準)
