色について学ぶ30日 ― 色を知ると世界がもっと楽しくなる
【Day20】マーケティングと色 ― 売れる“色の仕組み”を徹底解説
マーケティングの世界では、色は「購買行動に直結する武器」です。
商品パッケージ・広告バナー・ECサイト・店舗の内装・ブランドロゴまで、
色ひとつで売上が変わる ことが多くの研究で示されています。
今日は、マーケティングで使われる「色の心理」「購買に効く色」「業界ごとの傾向」など、
プロの現場で使われている知識をわかりやすく解説します。

■ 色は「購買の第一要因」
ある調査では、商品購入の決定要因の62〜90%が“色”による視覚情報 とされています。
色は数秒で感情を動かし、
- これは欲しい
- 信頼できそう
- おいしそう
- 高そう
- 安心できる
- 可愛い
- 元気が出る
など、“感覚的な判断”を引き起こします。
■ マーケティングで使われる代表的な色の心理
● 赤(購買を動かす最強カラー)
- 行動・衝動・興奮
- セール・限定・注目
- 食欲アップ
例:ファストフード・激安スーパー・セールPOP
● 青(信頼・誠実)
- 清潔
- 安心
- 知的
- 「嘘をつかない」印象
例:銀行、保険会社、企業ロゴ
● 緑(自然・安心・健康)
- 健康
- ナチュラル
- 優しさ
- リラックス
例:オーガニック食品、環境配慮ブランド
● 黄色(注意・明るさ)
- 目立つ
- 楽しい
- 子ども・ファミリー向け
例:ポップ広告、スーパーの値下げ札
● 黒(高級・特別・洗練)
- 高級感
- 特別感
- スタイリッシュ
例:高価格帯の化粧品・家電・ファッション
● 白(清潔・純粋)
- シンプル
- 清潔
- 無添加
- 透明感
例:スキンケア、医療系、ナチュラルブランド
■ “色の組み合わせ”で印象は劇的に変わる
● 赤 × 白
→ セール・限定感・勢い(スーパー)
● 青 × 白
→ クリーン・信頼性(企業サイト)
● 黒 × 金
→ 高級感・贅沢(ハイブランド)
● 緑 × ベージュ
→ 自然・オーガニック(食品・雑貨・化粧品)
● ピンク × 白
→ やさしさ・可愛さ(美容・女性向け)
色の組み合わせは“ブランド性格”そのものです。
■ 業界別:マーケティングで選ばれる色
● 食品・飲料
→ 赤・黄色・オレンジ(食欲増進)
● 金融・保険・企業
→ 青(信頼)・紺(誠実)
● 医療・衛生・スキンケア
→ 白・薄青・ミント(清潔)
● コスメ・美容
→ ピンク(可愛い)・黒(高級)
● 環境・健康・オーガニック
→ 緑・ブラウン(自然)
● 高級ブランド
→ 黒・金・深紫(プレミアム感)
■ “購入ボタン”は何色が売れる?
世界的なABテストの結果、よく売れる色は:
- 赤(即決・行動)
- オレンジ(楽しい・元気)
- 緑(安心・肯定)
ただし大事なのは
周囲とのコントラスト(目立つこと)
です。
青系サイトならオレンジボタンが強い、といった“対比”で決めるのが鉄則。
■ 商品パッケージで売れ方が変わる例
● お茶のボトル
緑 → 健康・自然
金 → 高級
白 → 無添加・スッキリ
黒 → プレミアム・濃厚
● 化粧品
ピンク → 優しい、女性向け
白 → 透明感、清潔
黒 → 高級ライン
水色 → みずみずしい、保湿
色の印象はそのまま“商品イメージ”に転写されます。
■ 行列ができる店は色がうまい
飲食店の色使いの例:
- 赤:回転を早める、食欲を上げる
- 黄色:通りから目立つ
- 黒:高級感
- 木目×緑:癒し、安心
大繁盛しているチェーンは、例外なく色心理を戦略的に使っています。
▼ まとめ
- マーケティングで色は「売上に直結」
- 赤=行動、青=信頼、緑=安心、黄=注意、黒=高級
- 色の組み合わせで“ブランドの性格”が決まる
- CTAボタンはコントラストが命
- 業界ごとに強い色が存在する
- パッケージの色は商品の価値そのもの
「売れる色」には理由があります。
色を理解すると、マーケティングは一気に上達します。
▼ 出典・参考
- Nielsen Norman Group(色とUX心理)
- 日本マーケティング学会研究
- 色彩心理と購買行動分析資料
- 各ブランドのカラー戦略レポート
