色について学ぶ30日 ― 色を知ると世界がもっと楽しくなる
【Day23】色と健康・色彩療法 ― 色が心と身体に働きかけるしくみ
色は「感情」に影響するだけでなく、
ストレス・疲労・呼吸・自律神経・睡眠 など、
心身の健康にも効果を持つことがさまざまな研究で示されています。
これを体系的に活用するのが
色彩療法(カラーセラピー) と呼ばれる分野です。
今日は、色が心と身体にどう働くのか、
そして日常で使える“色×健康”のテクニックをご紹介します。

■ 色彩療法とは?
色彩療法(カラーセラピー)とは、
- 色を見る
- 色を身につける
- 色の光を浴びる
- 色の空間で過ごす
といった行為によって、心身のバランスを整える療法です。
宗教儀式・医療・精神療法・アートなどにも古くから取り入れられており、
現代では心理学と神経科学の観点からも研究されています。
■ 色が健康に影響する「科学的根拠」
色を見ると、脳の“偏桃体”と“自律神経”に刺激が伝わり、
- 心拍
- 呼吸
- 筋肉の緊張
- 気分
- ストレス
- ホルモン分泌
に変化が起こります(Day22の続き)。
色はただの視覚情報ではなく、
身体的な反応を引き起こす“刺激” なのです。
■ 色別:健康に働きかける特徴(カラーセラピー視点)
● 赤(エネルギー・血行促進)
- 活力
- 温かさ
- やる気を引き出す
- 冷え・無気力の改善に◎
ただし強すぎる赤はストレスや興奮を増すため、少量が基本。
● オレンジ(元気・社交性)
- 明るい気分
- 会話が増える
- 心が軽くなる
- 食欲を適度に増やす
メンタルの「停滞期」に有効といわれる色。
● 黄色(脳の活性化)
- 思考の整理
- 記憶・集中のサポート
- 気持ちが軽くなる
子ども部屋の学習スペースにもよく使われる理由です。
● 緑(ストレス緩和)
- 安心
- バランス
- 疲労回復
- 自律神経を整える
森林浴には“緑の視覚刺激”による効果があると言われています。
● 青(鎮静・冷静)
- 落ち着き
- 眠気を促す
- 血圧を下げる
- 呼吸が深くなる
寝室・瞑想スペースに最適。
● 紫(精神性・癒し)
- 不安を和らげる
- 創造性を高める
- 感情を落ち着かせる
- 睡眠の質UP(ラベンダー色)
“心の荷物”を軽くする色として人気。
● 白(リセット・浄化)
- 気持ちを切り替える
- クリーンな空間を作る
- 緊張をほぐす
清潔な空気感を作り、気分を整える。
● 黒(集中・休息)
- 雑念を消す
- 落ち着く
- 心を整える
ただし使いすぎると気分が重くなる場合も。
■ 色彩療法の具体的な活用方法
● ① 部屋の一角を“カラーゾーン”にする
- 緑:リラックススペース
- 青:仕事スペース
- 黄色:アイデア出しのコーナー
場所ごとに色を変えると、気分が切り替わる。
● ② 小物・アクセサリーで色を取り入れる
- 赤い靴下 → 冷え対策
- 青いマグカップ → 落ち着く
- 緑の手帳カバー → 思考が整う
小さな変化でも効果があるのが色の魅力。
● ③ 光の色を変える(照明セラピー)
- 暖色 → 安眠・癒し
- 昼白色 → 集中
- 青系ライト → 鎮静
睡眠の質は照明の色で大きく変わる。
● ④ 色を“見る習慣”を作る
- 自然散策で緑
- 空を眺めて青
- 花を飾って赤・黄・紫
自然の色は、人を整える力があります。
● ⑤ 色塗り(アートセラピー)
- ピンク → 安心
- 青 → 心の整理
- オレンジ → 気分転換
- 紫 → 心の深い部分に向き合える
塗り絵は「心のスキャン」とも呼ばれます。
▼ まとめ
- 色は自律神経に作用し、健康に影響する
- 赤=エネルギー、青=鎮静、緑=ストレス緩和、紫=癒し
- 部屋・小物・光・自然で色を取り入れると心身が整う
- 色彩療法は“毎日できるメンタルケア”
- 科学 × セラピーの両側面から注目される分野
色は、心と身体の“自然な薬”のような存在です。
▼ 出典・参考
- 日本色彩学会「色彩と健康」
- Color Therapy Studies(国際色彩療法学会)
- 環境心理学ジャーナル
- 自律神経と色の研究レポート
