色について学ぶ30日 ― 色を知ると世界がもっと楽しくなる
【Day4】補色と類似色 ― バランスのとれた配色法
色を組み合わせるときに、最も役に立つ法則が
「補色(ほしょく)」と「類似色(るいじしょく)」 の考え方です。
配色に迷ったとき、この2つのルールを知っているだけで
「見やすい・なじむ・おしゃれ」
といった印象を簡単に作ることができます。
デザイン、ファッション、資料作り、写真編集など、あらゆる場面で即使える知識です。

■ 補色(Complementary Color)とは?
補色とは、
色相環で正反対に位置する色どうしの組み合わせ のこと。
代表的な補色の例:
- 赤 × 緑
- 青 × オレンジ
- 黄 × 紫
補色はお互いを強く引き立て合う性質があり、
メリハリ・エネルギー・インパクト を生みます。
● 補色がよく使われる場面
- スポーツチームのユニフォーム
- 飲料・お菓子のパッケージ
- セールのPOP広告
- 写真のコントラスト調整
人の目は「差」が大きいところに注目するため、補色は視線を集めたいときに最適です。
■ 類似色(Analogous Color)とは?
類似色とは、
色相環で隣り合う、または近い位置にある色の組み合わせ。
代表的な例:
- 赤 × オレンジ × 黄
- 青 × 青緑 × 緑
- 黄緑 × 黄色 × オレンジ
類似色はなじみやすく、気持ちのよい調和を生むため
まとまり感・落ち着き・自然さ が特徴です。
● 類似色がよく使われる場面
- 北欧風インテリア
- ナチュラルカラーのファッション
- グラデーション背景
- 調和を重視した資料デザイン
特にWebや印刷物で「やさしい印象」を作るときに重宝されます。
■ 補色と類似色を使った“簡単レイアウト術”
● ① 視線誘導:補色で主役を強調
- 主役(商品・強調したい言葉)に強い色
- 背景や周りは反対色の明度・彩度を落として配置
→ 一気に視線が集まるレイアウトに
● ② 調和:類似色で世界観を統一
- 背景を薄い青
- メインカラーを青
- アクセントに青緑
など、同系統でまとめると統一感が生まれます。
● ③ 補色 × 類似色でプロの配色に
実は一番洗練されるのは
「類似色で基盤を作って、補色をアクセントにする」 方法。
例:
- 類似色で全体を青〜緑でまとめる
- ワンポイントにオレンジを使う(補色)
→ まとまり+注目の両立ができる
■ 補色の“注意点”
補色は強い印象を持つため、使いすぎると疲れやすくなったり、派手になりすぎることがあります。
- 彩度を少し落とす
- 片方の明度を上げる
- 補色同士を同じ面積にしない
といった調整で、一気に洗練された配色になります。
▼ まとめ
- 補色 → 対照的、目立つ、インパクト
- 類似色 → 調和、自然、落ち着き
- 補色は強く、類似色は優しい印象
- 類似色でまとめて補色を少しだけ入れると“プロの配色”になる
配色は、感覚だけに頼らなくても大丈夫。
ルールを知るだけで、誰でもセンスのある色遣いができます。
▼ 出典・参考
- 日本色彩学会『配色のしくみ』
- Itten(イッテン)の色彩論
- Adobe Color / カラーホイール
