色について学ぶ30日 ― 色を知ると世界がもっと楽しくなる
【Day6】カラーホイールの使い方 ― デザインの基礎ツール
色を学ぶうえで、もっとも頼れる“道具”が カラーホイール(色相環) です。
赤・青・黄を起点に、色が円形に並んだ図のことで、
配色の「迷い」や「違和感」を解消する強力なガイドになります。
デザイン・資料作成・写真編集・ファッションなど、
すべてに応用できる「色の地図」といっても過言ではありません。
今日は、このカラーホイールの基本的な使い方を分かりやすく解説します。

■ カラーホイールとは?
カラーホイール(色相環)は、
色相(色み)を円に沿って並べた図 のことです。
順番は以下のように循環しています:
赤 → オレンジ → 黄 → 黄緑 → 緑 → 青緑 → 青 → 青紫 → 紫 → 赤
この図を見るだけで、
「どの色が近い?」「どの色が反対?」
といった関係性がひと目で分かります。
■ 基本の使い方①:補色を見つける
Day4で学んだ 補色(正反対の色) は、
カラーホイールで「向かい合う位置」にあります。
例:
- 赤 ↔ 緑
- 青 ↔ オレンジ
- 黄 ↔ 紫
補色は
・目立つ
・強調できる
・メリハリが出る
という特徴があるため、広告やアイキャッチに便利です。
カラーホイールは“補色の見つけ方マップ”として最適です。
■ 基本の使い方②:類似色を見つける
類似色は、
カラーホイールで隣り合う/近い色 のこと。
例:
- 青・青緑・緑
- 赤・赤紫・紫
- 黄・黄緑・緑
類似色を使うと、
・自然なまとまり
・優しい印象
・統一感のあるデザイン
が作れるため、インテリア・Webデザインなどでよく使われます。
■ 基本の使い方③:トライアド配色(3色のバランス)
トライアドとは、
カラーホイール上で120度間隔に位置する3色の組み合わせ のことです。
例:
- 赤 × 青 × 黄
- オレンジ × 緑 × 紫
特徴:
- バランスがよい
- 鮮やかでポップ
- 多色でもチグハグにならない
ロゴやイラストでよく使われる王道の配色バランスです。
■ 基本の使い方④:スプリット補色(使いやすい応用)
主色の補色の左右1つずつの色を組み合わせる方法。
例:
赤を主役にするなら
→ 補色の緑を避けて、「黄緑」「青緑」を合わせる
メリット:
- 補色より柔らかい
- 上級者っぽい仕上がり
- 配色に深みが出る
広告・Webサイトで非常によく見られる配色パターンです。
■ 基本の使い方⑤:テーマカラーの軸を決める
カラーホイールは、
“主役の色”を決めてから周囲の色(関係性)を選ぶ のに便利です。
手順例:
- 主役にしたい色を選ぶ(青など)
- 補色 or 類似色 or トライアドで組み合わせを選ぶ
- 足りないところを中間色で補う
- 明度・彩度で調整し雰囲気を仕上げる(Day5の内容)
このプロセスを使うだけで、
初心者でもプロのように配色が決まります。
▼ まとめ
- カラーホイールは色の“地図”
- 補色 → 反対側の色(強調・メリハリ)
- 類似色 → 隣り合う色(調和・統一感)
- トライアド → 三角形のバランス(ポップ・安定)
- スプリット補色 → 柔らかく上級者向け
- 主役色を軸に配色を考えるのがポイント
カラーホイールを使いこなせると、配色の迷いが一気になくなります。
▼ 出典・参考
- 日本色彩学会『色彩の原則』
- Itten 色相環
- Adobe Color(スキーム自動生成)
