「コンセンサス」は海外ビジネスで同じ意味?

英語だと思ってた!和製英語30選(ビジネス編)

「コンセンサス」は海外ビジネスで同じ意味?

はじめに|日本の会議で欠かせない言葉

「この件はコンセンサスが取れています」
「まずはコンセンサスを取りましょう」

日本のビジネスシーンでは、会議や意思決定の場面で頻繁に使われる「コンセンサス」。
英語の consensus に由来する言葉のため、
「海外でも同じ意味・同じ使い方で通じる」と思われがちです。

しかし実際には、日本語の「コンセンサス」と英語の consensus には、
意味の重さと成立条件に大きな違いがあります。


英語の consensus は「全員一致に近い」

英語の consensus は、

  • 関係者の大多数が納得している
  • 強い反対意見が存在しない
  • 議論を尽くした上での合意

といった、非常に重い合意状態を指します。

単に
「反対は出ていない」
「とりあえず異論はない」
というレベルでは、consensus とは言いません。


日本語の「コンセンサス」とのズレ

日本語の「コンセンサス」は、

  • 暗黙の了解
  • 大きな反対がない
  • 空気的にOK

といった、かなり広い意味で使われることがあります。

そのため日本語感覚で、

We have a consensus.

と言うと、
英語話者は
「全員が本当に合意しているのか?」
と疑問を持つことがあります。


海外ビジネスで起きやすい誤解

たとえば会議後に、

There is a consensus on this plan.

と言うと、
「もう変更の余地はない」
「全員が正式に同意した決定事項」
と受け取られる可能性があります。

日本語の「仮合意」「方向性が一致している」
というニュアンスとは大きく異なります。


英語での自然な言い換え表現

英語では、合意の度合いに応じて表現を使い分けます。

よく使われる表現

  • agreement(合意)
  • alignment(方向性の一致)
  • shared understanding(共通理解)
  • general agreement(おおむね合意)
  • buy-in(賛同・納得感)

日本語の「コンセンサスを取る」に近いのは、
alignmentshared understanding です。


実践例|会議でのNGとOK

❌ NG例(日本語感覚)

We have reached a consensus.

→ 合意のレベルが高すぎる表現。

⭕ OK例(自然なビジネス英語)

We are aligned on this direction.
There is a general agreement among the team.

最終決定であれば、

We have reached a consensus.

と使うのが適切です。


日本と海外の「合意形成」の違い

日本では、

  • 段階的に合意する
  • 後から調整する
  • 空気を読む

といった前提で話が進むことが多いです。

一方、英語圏では、

  • 合意のレベルを明確にする
  • 決定事項の範囲を限定する
  • 責任の所在をはっきりさせる

ことが重視されます。


言葉を正しく使うと意思決定がスムーズになる

海外ビジネスでは、

Are we aligned on this?

と聞くだけで、
「方向性の確認なのか、決定なのか」
が明確になります。

consensus を安易に使わないことは、
誤解を防ぐ重要なコミュニケーションスキルです。


まとめ|「コンセンサス」は最終段階の言葉

  • 英語の consensus は非常に重い合意
  • 日本語の「コンセンサス」とはズレがある
  • alignment / agreement を使い分ける

和製英語を見直すことで、
国際会議での意思決定力が確実に向上します。

出典・参考資料

  • Oxford Learner’s Dictionaries
  • Cambridge Dictionary
  • 研究社 新英和大辞典
  • Harvard Business Review(意思決定・合意形成関連記事)