なぜ投資が必要なのか Day2

投資を始める前に

なぜ投資が必要なのか Day2

多くの人が「投資=お金に余裕のある人がやるもの」と考えています。確かに一昔前までは、株式や不動産は大きな資金を持つ人だけが関われる特別な世界というイメージが強くありました。けれども今では、投資はごく普通の生活者にとっても必要不可欠な「生活スキル」といえる時代に変わってきています。その理由を整理してみましょう。

インフレに備える

投資が必要な最大の理由は「インフレ(物価上昇)」です。

10年前に100円だったパンが今では150円になっている――そんな経験は誰もがしているはずです。インフレが進むと、同じ金額でも買えるものが減っていきます。

つまり、現金をタンスや銀行口座に眠らせておくだけでは、お金の「実質的な価値」が目減りしていくのです。

例えば100万円を現金のまま10年間持っていたとしましょう。
物価が年2%のペースで上がれば、そのお金の購買力は10年後には「現在の約82万円分」にまで縮小します。

額面は変わらなくても、生活の実感としては確実に損をしているのです。

投資は、こうしたインフレによる資産価値の目減りを補う「守りの手段」となります。

長寿社会と老後資金

日本は世界有数の長寿国です。
平均寿命は男性81歳、女性87歳を超え、健康寿命が延びているとはいえ、老後30年以上を過ごす人も珍しくありません。

一方で、公的年金制度は少子高齢化による財源の圧迫を受けています。
今後は「年金だけで十分に生活できる」とは言い切れない現実が待ち受けています。

そのため、自分で老後資金を用意する「自助努力」がますます重要になってきているのです。

投資はその大切な選択肢のひとつです。

超低金利時代の現実

かつては銀行にお金を預けるだけで数%の金利がつき、資産は自然に増えていきました。

しかし、現在の普通預金金利は0.001%程度。100万円を1年間預けても、利息はたった10円しか増えません。
これでは資産形成どころか、インフレに対抗することすらできません。

この低金利環境が長く続く日本において、「貯金だけでは資産を守れない」という事実は広く認識されるようになっています。

投資は「増やす」手段であると同時に「減らさない」ための重要な仕組みでもあるのです。

投資は防御でもある

投資と聞くと「お金を増やすための攻めの手段」と思われがちですが、実は「防御策」としての役割が大きいのです。

インフレに負けないため、老後の生活を守るため、低金利環境でも資産を減らさないため――こうした背景を考えれば、投資はもはや一部の人の贅沢ではなく、誰にとっても必要な生活スキルであるといえるでしょう。


👉 投資は「お金持ちがやる贅沢」ではありません。むしろ現代に生きるすべての人に必要な、お金の価値を守り、未来の安心を作るための基本的な習慣なのです。


参考にできる出典