分散投資の考え方 Day7

投資を始める前に

分散投資の考え方 Day7

投資の世界でよく知られている格言に「卵を一つのカゴに盛るな(Don’t put all your eggs in one basket)」というものがあります。これは、資産運用の本質をシンプルに表した言葉です。仮にあなたがすべての資金を一つの株式に投じたとしましょう。その企業が順調に成長すれば大きな利益を得られますが、もし不祥事や経営不振で株価が暴落すれば、あなたの資産全体が大きなダメージを受けることになります。リスクをコントロールするうえで「分散投資」は非常に有効な戦略なのです。

分散投資の3つの軸

1. 資産分散

株式だけでなく、債券や不動産、金(ゴールド)といった異なる資産クラスに投資を分ける方法です。株式は成長性が高い一方で価格変動が大きいですが、債券は値動きが比較的安定しています。金は「有事の資産」と呼ばれ、株や債券とは逆の動きをすることが多いのも特徴です。複数の資産を組み合わせることで、相場の下落局面でもダメージを軽減できます。

2. 地域分散

日本のみに投資すると、日本経済や円の動向に大きく依存してしまいます。米国やヨーロッパ、新興国市場にも投資することで、地域ごとの景気循環の違いを活かせます。例えば、米国株が下がっていても新興国株が堅調なら、全体としてのリスクを下げられます。

3. 時間分散

一度にまとまった金額を投資するのではなく、毎月一定額をコツコツと積み立てる方法です。これを「ドルコスト平均法」と呼びます。相場が高いときには少なく、安いときには多くの口数を購入できるため、平均購入価格を平準化できるメリットがあります。

はなく「負けすぎないこと」です。

分散投資の効果と限界

分散投資を行うことで「大損を避ける」効果が期待できます。しかし誤解してはいけないのは、分散しても損失をゼロにすることはできないという点です。リーマンショックやパンデミックのような世界的な危機のときには、株式も債券も同時に値下がりするケースもあります。

それでも、分散投資を行っていれば特定の資産が暴落しても、他の資産が下支えしてくれるため、資産全体の下落幅は抑えられる傾向にあります。これは長期的な資産形成において非常に大切な考え方です。


「負けすぎない」ことが投資の秘訣

投資というと「勝ち続ける」ことが理想のように思えますが、現実には相場は常に変動しており、必ずしもすべての取引で利益を出せるわけではありません。大切なのは、一度の失敗で大きく資産を失わないこと。つまり「負けすぎないこと」が長期的に資産を増やす秘訣なのです。

投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェットも、「第一のルールは損をしないこと。第二のルールは第一のルールを忘れないこと」と語っています。この言葉はまさに分散投資の重要性を示しています。


まとめ

分散投資は「資産分散」「地域分散」「時間分散」の3つの柱から成り立っています。これらを組み合わせることで、一時的な相場の変動や予測不能なリスクから資産を守りやすくなります。

投資で成功するためには「勝ち続ける」ことではなく、「負けすぎない」ことが何よりも重要です。資産形成を長く続けるための防御策として、分散投資を習慣化してみてはいかがでしょうか。


📚 参考文献・出典