投資のリスクとは Day4

投資を始める前に

投資のリスクとは Day4

投資を始める前に必ず理解しておきたいのが「リスク」です。
ここでいうリスクとは「損をする可能性」そのものではなく、「不確実性」、つまり予想が外れる可能性を意味します。価格が思ったより上がらない、あるいは下がってしまう、想定していた利息や配当が支払われないなど、未来が確実に読めない以上、投資にリスクはつきものです。

投資の代表的なリスク

投資に伴うリスクにはいくつかの種類があります。それぞれ性質が異なり、どの資産を選ぶかによって強弱があります。

  • 価格変動リスク:株価や為替が上下し、期待した利益が得られない可能性。株式市場は世界情勢や企業業績、金利動向に敏感に反応します。為替も政治的イベントや金融政策で大きく動くことがあります。
  • 信用リスク:債券を発行した国や企業が財政難や経営破綻に陥り、利息や元本の支払いができなくなるリスク。格付けが低い企業の債券は利回りが高い分、信用リスクも大きくなります。
  • 流動性リスク:売りたい時に買い手が見つからず、現金化できないリスク。特に不動産や一部の未公開株、流通量が少ない金融商品ではこのリスクが顕著です。
  • 金利リスク:金利が上昇すると、既に発行されている低利回りの債券の価値が下がるなど、金利の変動によって資産価格に影響が及ぶリスクです。日本や米国の中央銀行の金融政策が大きな要因となります。

これらのリスクを完全にゼロにすることはできません。しかし、リスクの存在を知らずに投資をすることは、暗闇の中を地図なしで歩くようなものです。理解していれば、適切な対策を講じられるのです。

リスクは悪ではない

多くの人は「リスク」と聞くとネガティブに感じますが、投資においてはリスクがあるからこそリターンが期待できます。
たとえば、銀行預金のリスクは極めて低い代わりに、利息もほとんど増えません。反対に株式や新興国債券は値動きが大きい分、長期的に見れば高いリターンが得られる可能性もあります。

つまり「リスクとリターンは表裏一体」であり、リスクを避けすぎるとリターンも得られなくなるのです。大切なのは、リスクを「理解し、受け入れ、自分に合った範囲で取る」ことです。

リスクを管理する方法

投資で大切なのは「リスクをなくす」ことではなく、「コントロールする」ことです。代表的な方法としては以下のようなものがあります。

  • 分散投資:株式・債券・不動産・金など、異なる種類の資産に分けて投資することで、一つの資産が下がっても他で補える仕組みを作ります。地域分散(日本・米国・新興国など)も有効です。
  • 時間分散(積立投資):一度に大きな額を投資せず、毎月少しずつ定期的に投資することで、購入価格を平均化し、高値掴みを避けやすくなります。
  • 自分のリスク許容度を知る:年齢や収入、家族構成によって「どのくらい値下がりに耐えられるか」は人それぞれです。まずは生活に支障が出ない余裕資金で投資することが前提です。

こうした工夫を行うことで、リスクは「怖いもの」から「付き合えるもの」へと変わります。

まとめ:リスクを知ることが第一歩

投資にリスクは避けられません。しかし、リスクの正体を理解し、対策を講じれば、過度に恐れる必要はありません。
「リスクをゼロにする」ことを目指すのではなく、「リスクを理解してコントロールする」ことこそが、投資で失敗しないための第一歩なのです。

👉 投資は「リスクを取るからこそ、リターンを得られる行為」だと覚えておきましょう。


参考にできる出典

日本証券業協会「投資の基礎知識(リスクとリターン)」
https://www.jsda.or.jp/manabu/

金融庁「資産運用シミュレーション」
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/