最初は謎だよね!よく聞くビジネス用語
Day3:KGI ― ゴールを示す最終的な指標
KGI(ケージーアイ)という言葉は、KPIとセットで語られることが多いビジネス用語です。
しかし、最初に聞くと「KPIとの違いがよく分からない」「どちらが先なの?」と混乱する人も多いでしょう。
KGIとは Key Goal Indicator(重要目標達成指標) の略で、組織やプロジェクトが最終的に達成すべきゴールを数値化した指標のことです。
つまり「最終目的地を示す数字」がKGIであり、「そこへたどり着くための中間目標」がKPIです。
🔹 たとえばこんな例
ある会社が「年間売上1億円を達成する」という目標を掲げていたとします。
この“1億円”がまさにKGI。最終的に到達すべき成果そのものを示します。
一方で、「月間売上800万円」「成約率20%」「顧客獲得数50件」などはKPI。
KPIを積み上げていくことで、KGIに近づくという構造になっています。
つまりKGIは**“ゴール地点”、KPIは“途中のマイルストーン”**です。
プロジェクトを進めるときは、まずKGIを設定し、その達成に向けてKPIを設計するのが基本的な流れです。

🔹 KGIを設定するポイント
KGIを決める際に重要なのは、「定量的で、測定可能な数字」にすることです。
たとえば、
- 「顧客満足度を上げる」 → × 抽象的
- 「顧客満足度アンケートの平均点を4.5以上にする」 → ○ 数値化
このように、誰が見ても判断できる明確な数字を設定することで、チーム全員が同じゴールを共有できます。
また、KGIは「ビジョン」や「ミッション」とも連動しています。
単なる数字ではなく、「なぜその目標を達成したいのか」という意義を明確にすると、チームのモチベーションも高まります。
🔹 よくある失敗例
KGIが曖昧だったり、現実離れしていると、チームは迷走します。
たとえば「市場シェアを50%に拡大!」と掲げても、現実的に難しければメンバーは努力の方向を見失ってしまいます。
KGIは“高すぎず低すぎない挑戦的な数値”が理想。
さらに、KPIと連動していないKGIも要注意です。
「最終ゴール(KGI)を定めたのに、それに向かう行動指標(KPI)がない」状態では、絵に描いた餅になってしまいます。
KGIはKPIとセットで初めて意味を持つのです。
🔹 現場での使われ方
会議で「今期のKGIは売上3億円、KPIは月次1000万円ペース」といった具合に使われます。
経営層がKGIを提示し、各部門がその達成に向けたKPIを設定していく流れが一般的です。
一方、個人レベルでもKGIは活用できます。
たとえば「資格試験に合格する」「副業収益を月10万円にする」なども立派なKGI。
そのために「毎日2時間勉強する」「週3回投稿する」といったKPIを設定すれば、仕事以外でも応用可能です。
🔹 まとめ
KGIとは、組織や個人が最終的に達成すべき“ゴール”を数値で表したもの。
KPIはその途中の道のりを示す「行動の指標」、KGIは目指す「結果の指標」。
この2つを明確に使い分けることで、目標設定の精度が格段に上がります。
目指すゴール(KGI)を明確にしてこそ、努力の方向がブレず、チーム全体が同じ目的に進めるのです。
📚 出典
- 経済産業省「KPI・KGIの設定と評価に関するガイドライン」
- 日本能率協会『目標管理の実践とKGI設計』
- Harvard Business Review “Setting the Right Goals in Business Management”
