「モチベーション」は海外ビジネスで同じ意味?

英語だと思ってた!和製英語30選(ビジネス編)

「モチベーション」は海外ビジネスで同じ意味?

はじめに|評価面談やマネジメントで頻出する言葉

「最近、彼はモチベーションが下がっている」
「モチベーションを上げる施策が必要だ」

日本のビジネスでは、マネジメントや評価面談で頻繁に使われる「モチベーション」。
英語の motivation に由来する言葉のため、そのまま英語でも同じ感覚で使えると思われがちです。

しかし実際には、日本語の「モチベーション」と英語の motivation には、
使われ方やニュアンスに大きな違いがあります。


英語の motivation は「気分」ではない

日本語の「モチベーション」は、

  • やる気
  • 気持ちの高まり
  • テンション

といった、感情や心理状態を指すことが多い言葉です。

一方、英語の motivation は、

  • 行動の動機
  • 目的意識
  • 行動を起こす理由

といった、より論理的・構造的な意味で使われます。

そのため、単に「やる気がない」という意味で motivation を使うと、
英語話者には違和感を与えることがあります。


海外ビジネスで直訳すると起こるズレ

たとえば評価面談で、

He has low motivation.

と言うと、
「なぜ?理由は何?」
「目標設定や評価制度に問題があるのでは?」
と、原因分析の話に発展しやすくなります。

日本語のように
「最近ちょっと元気がない」
という軽いニュアンスでは受け取られません。


英語での自然な言い換え表現

英語では「やる気がある/ない」を、
行動や状態で具体的に表現します。

よく使われる表現

  • engagement(仕事への関与度)
  • commitment(責任感・本気度)
  • enthusiasm(熱意)
  • drive(推進力・行動力)
  • initiative(主体性)

マネジメント文脈では、
engagement が非常によく使われます。


実践例|評価・マネジメントでのNGとOK

❌ NG例(日本語感覚)

His motivation is low these days.

→ 抽象的で、原因や改善策が見えません。

⭕ OK例(ビジネス英語)

He seems less engaged in his work recently.
His commitment to the project has decreased.

前向きに伝える場合は、

She shows strong enthusiasm for new challenges.

と表現できます。


日本と海外の「やる気」の捉え方の違い

日本では「モチベーション」は
個人の内面の問題として語られることが多い傾向があります。

一方、英語圏では、

  • 目標設定
  • 評価制度
  • 役割の明確さ

といった環境要因との関係で捉えられます。

そのため、motivation という言葉を使うと、
自然と「仕組み」や「マネジメント」の話になります。


言い換えができると管理職の英語が変わる

海外ビジネスでは、

  • 何が起きているのか
  • どんな行動が変わったのか
  • どう改善するのか

を説明できる管理職が評価されます。

We need to improve team engagement.

この一文だけで、
個人批判ではなく組織改善の視点が伝わります。


まとめ|「モチベーション」は構造で語る

  • 日本語の「モチベーション」と英語の motivation は別物
  • 英語では engagement / commitment / enthusiasm が実務向き
  • 行動や状態を具体的に表現することが重要

和製英語を見直すことは、
英語力だけでなく、マネジメント力の向上にもつながります。

出典・参考資料

  • Oxford Learner’s Dictionaries
  • Cambridge Dictionary
  • 研究社 新英和大辞典
  • Harvard Business Review(モチベーション・エンゲージメント関連記事)