Day23:相槌の打ち方で印象が変わる

新人社会人が知っておきたい雑学

Day23:相槌の打ち方で印象が変わる

「聞いている姿勢」は相槌から伝わる

会話の中で自然に出てくる「相槌(あいづち)」。一見すると単なる相づちですが、実は相手に与える印象を大きく左右します。新人が会話で「はい」「ええ」だけを繰り返すと、表情が硬いまま「本当に聞いているの?」と不安に思われることもあります。逆に、適切な相槌を打つことで「しっかり聞いている」「理解している」という信頼感を与えることができるのです。

相槌のバリエーションを増やす

基本的な「はい」だけでなく、場面に応じてバリエーションを持っておくことが重要です。

  • 「なるほど」:相手の説明に納得していることを示す
  • 「そうなんですね」:相手の話に関心を持っていることを伝える
  • 「勉強になります」:学びの姿勢をアピールできる

こうしたフレーズを使い分けることで、会話が一方通行にならず、スムーズなコミュニケーションにつながります。

タイミングの重要性

相槌は「打つタイミング」が印象を大きく変えます。相手が話の途中なのに何度も「はい、はい」と返すと、急かされているように感じさせてしまうこともあります。最適なのは、相手の話が 一区切りしたところでうなずく こと。会話分析学の研究によると、相槌のタイミングが合うと「会話のリズム」が整い、相手に安心感を与える効果があるとされています。

表情との組み合わせで効果倍増

相槌は声だけでなく 表情 とセットで効果を発揮します。無表情で「なるほど」と言うのと、軽く笑顔を添えて言うのとでは、相手の受け取り方がまったく違います。特にビジネスシーンでは、口数が少なくても「しっかり聞いてくれている」という安心感を与えられるかどうかが信頼の分かれ目になります。

相槌で会話を広げる

相槌は単なる反応だけでなく、会話を広げるきっかけにもなります。例えば「なるほど、そのときはどうされたんですか?」と一言質問を添えると、相手は話しやすくなり、会話が深まります。心理学でも「傾聴」においては、受け止めるだけでなく話を促す姿勢が重要とされています。

新人がやりがちなNG相槌

気をつけたいのは「マジですか」「やばいですね」といったカジュアルすぎる相槌です。学生ノリの言葉は信頼を損なう原因になります。また、スマホを見ながらの「はいはい」など、心ここにあらずの相槌は逆効果です。相槌は小さな所作ですが、丁寧さが相手の評価に直結します。

まとめ

  • 相槌は「聞いています」という姿勢を伝える重要な要素
  • 「はい」だけでなく「なるほど」「勉強になります」とバリエーションを使う
  • タイミングは話が一区切りしたときに
  • 表情を添えると信頼感が高まる
  • 会話を広げるきっかけとしても活用できる

相槌の工夫は、話す力以上に新人を「聞き上手」として印象づける武器になります。ちょっとした反応が、信頼される社会人への第一歩となるのです。


📚 出典

  • 森一夫『会話分析入門』
  • 日本経済新聞「相槌で変わる職場の人間関係」
  • Carl Rogers『Active Listening(傾聴の技法)』