謎バズ30
Day1:なぜ夢を見るのか?夢は脳のメンテナンス?予知?

私たちは眠ると、無意識のうちに夢を見ます。
内容は現実に近いものから、奇想天外なものまでさまざま。
古代から「夢は未来を予言する」と信じられてきましたが、現代科学でも「なぜ夢を見るのか」は完全には解明されていません。
有力な説の一つは「脳のメンテナンス説」です。
眠っている間、脳はその日に得た情報を整理・取捨選択し、長期記憶へと定着させます。
その過程で断片的な記憶や感情が再構成され、夢として現れるのではないかと考えられています。
また、夢は精神的な安定に寄与している可能性もあります。
例えばストレスが強いと悪夢を見やすくなりますが、これは脳が「疑似体験」を通して不安や恐怖を処理しているとも言われています。
さらに近年では「夢は創造性を高める」との研究も注目されています。
歴史上の発明家や芸術家が夢から着想を得たエピソードは数多くあり、夢の世界が人類の発展に寄与してきた可能性もあるのです。
しかし、夢の役割については未だに統一的な答えがありません。あなたが昨夜見た夢は、ただの脳の整理現象か、それとも未来へのヒントかもしれません。
まとめ
夢は「記憶の整理」「感情処理」「創造性向上」など、さまざまな役割が考えられているが、まだ確定的な答えはない。
📖 出典・参考文献
- Hobson, J. A., & McCarley, R. W. (1977).
The brain as a dream state generator: An activation-synthesis hypothesis of the dream process.
American Journal of Psychiatry, 134(12), 1335–1348.
→ 「夢は脳の無作為な活動を意味づけしようとする過程」という有名な「活性化‐統合仮説」を提唱。 - Revonsuo, A. (2000).
The reinterpretation of dreams: An evolutionary hypothesis of the function of dreaming.
Behavioral and Brain Sciences, 23(6), 877–901.
→ 夢は危険な状況をシミュレーションし、生存に有利に働くという「脅威シミュレーション仮説」を提示。 - Stickgold, R., & Walker, M. P. (2013).
Sleep-dependent memory triage: Evolving generalization through selective processing.
Nature Neuroscience, 16(2), 139–145.
→ 夢と睡眠が記憶の整理・統合に果たす役割を示す研究。 - Freud, S. (1900).
『夢判断』(Die Traumdeutung)
→ 古典的ではあるが、夢を「無意識の願望充足」とする精神分析学の視点。
✅ 補足
- 現代では「夢の意味」について統一見解はなく、
①脳の無作為活動説(Hobson)、②進化論的適応説(Revonsuo)、③記憶整理説(Stickgold)、④精神分析(Freud)
など複数の立場が併存しています。