謎バズ30
Day2:寝不足が寿命にどれくらい影響するのか?

現代人の多くが抱える悩み、それは「睡眠不足」です。
仕事、勉強、娯楽…ついつい夜更かししてしまいがちですが、果たして寝不足は寿命にどれほど影響するのでしょうか?
研究によれば、慢性的な睡眠不足は心臓病、糖尿病、肥満、認知症などさまざまなリスクを高めることがわかっています。
ある大規模調査では、毎晩5時間以下の睡眠を続ける人は7〜8時間眠る人に比べ、死亡リスクが約1.5倍になるという結果も出ています。
ただし「寝すぎ」も問題です。
9時間以上の長時間睡眠もまた病気や死亡率と関連があるというデータがあります。
このため、最適な睡眠時間は「7〜8時間」と考える研究者が多いのです。
一方で、個人差は大きいとも言われます。
短時間でも元気に活動できる「ショートスリーパー」もいれば、長時間眠らないと体調が保てない人もいます。
遺伝や生活環境による影響もあり、一概に「何時間が正解」とは断言できません。
つまり、寿命との関係も単純ではなく、「質の良い睡眠」を取ることが何より重要なのです。
まとめ
睡眠不足は寿命を縮める可能性が高いが、長すぎる睡眠もリスク。
個人に合った質の良い睡眠が健康長寿の鍵。
📖 出典・参考文献
- Cappuccio, F. P., D’Elia, L., Strazzullo, P., & Miller, M. A. (2010).
Sleep duration and all-cause mortality: A systematic review and meta-analysis of prospective studies.
Sleep, 33(5), 585–592.
→ 短い睡眠(特に1日5時間未満)は全死亡リスクを有意に高めることを示した大規模メタ分析。 - Walker, M. (2017).
『Why We Sleep: Unlocking the Power of Sleep and Dreams』
(邦訳『睡眠こそ最強の解決策である』)
→ 脳科学者マシュー・ウォーカーが、睡眠不足が寿命・免疫・記憶に与える影響を解説。 - Hublin, C., Partinen, M., Koskenvuo, M., & Kaprio, J. (2007).
Sleep and mortality: A population-based 22-year follow-up study.
Sleep, 30(10), 1245–1253.
→ 22年間の追跡調査で、短時間睡眠と長時間睡眠の両方が死亡率の上昇と関連することを報告。 - Nagai, M., Hoshide, S., & Kario, K. (2010).
Sleep duration as a risk factor for cardiovascular disease—A review of the recent literature.
Hypertension Research, 33, 835–851.
→ 睡眠不足と心血管疾患リスクの関連をレビュー。
✅ 補足
- 睡眠不足は「寿命の短縮」だけでなく、心疾患・糖尿病・免疫力低下 にも影響。
- 特に「慢性的な短時間睡眠」が長期的なリスクを増やすことが、複数の疫学研究で示されています。