Day16:「運」は本当に存在するのか?

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Day16:「運」は本当に存在するのか?

「今日は運がいい」「ツイてない日だった」──私たちは日常的に「運」という言葉を使います。

けれども、運は本当に存在するのでしょうか?


心理学的に見ると、運の感じ方には「認知のバイアス」が大きく関わっています。

例えば、偶然うまくいった出来事を強く記憶し、それを「運が良かった」と捉えるのです。

一方で、失敗や不幸な出来事は「運が悪い」とまとめてしまう傾向があります。


しかし統計学的には、偶然は確率で説明できます。

宝くじが当たるのも、事故に遭うのも、確率論的には必ず起こり得ること。

そこに「運」を持ち込むかどうかは人の解釈次第なのです。


一方で、「運を引き寄せる行動」が存在することも事実です。

ポジティブな人は人脈が広がり、挑戦の機会も増え、結果的に「運が良い」と思われやすい。

つまり運は偶然の結果でありつつも、行動次第で増減する側面を持つと言えます。

まとめ
運は科学的には「偶然の解釈」だが、行動や姿勢次第でチャンスを呼び込める。

運は存在するというより「作り出すもの」。

📖 出典・参考文献

  1. Wiseman, R. (2003).
    The Luck Factor: The Scientific Study of the Lucky Mind.
    → イギリスの心理学者リチャード・ワイズマンが「幸運を引き寄せる思考・行動パターン」について実証研究をまとめた書籍。
  2. Miller, J., & Schechter, D. (1984).
    Luck: A Study in Psychology and Folklore.
    → 幸運や不運に関する人間の信念や文化的背景を心理学・民俗学の両面から分析。
  3. Kahneman, D. (2011).
    Thinking, Fast and Slow.
    → 「偶然を人は意味づけたがる」という認知バイアスを説明。運を「確率的事象」として理解する視点を提供。
  4. Merton, R. K. (1968).
    The Matthew Effect in Science.
    Science, 159(3810), 56–63.
    → 「成功する者はさらに成功する」という累積優位の法則を提示。社会的に「運がいい」とされる現象を構造的に説明。

✅ 補足

  • 科学的には「運」という独立した力は存在しないとされる。
  • しかし心理学的研究では、
    • チャンスを見つけやすい行動パターン
    • 失敗を柔軟に受け止める姿勢
      が「運が良い」と感じさせる要因になることが示唆されている。