Day28:赤ちゃんは何を考えているのか?

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Day28:赤ちゃんは何を考えているのか?

赤ちゃんはまだ言葉を話せません。

しかしその瞳は何かを訴えかけているように見えます。

「赤ちゃんは何を考えているのか?」これは育児に携わる誰もが抱く疑問です。


近年の発達心理学の研究では、生後数か月の赤ちゃんでも「因果関係」や「数量感覚」をある程度持っていることが分かってきました。

例えば、赤ちゃんに複数の物体を見せ、数が変化すると驚いた表情をすることがあります。

これは「数の感覚」が生まれつき備わっている証拠です。


また、赤ちゃんは人の顔に強く反応し、特に母親や父親の表情をよく観察します。

これは「社会的学習」の始まりであり、言葉を持たなくても世界を理解しようとしているのです。


一方で、赤ちゃんが何を「感じているか」については依然として謎が多いです。

彼らの意識や思考がどの程度発達しているのか、まだ明確な答えはありません。

ただ一つ言えるのは、赤ちゃんは常に周囲を学び、成長しようとする存在だということです。

まとめ
赤ちゃんは言葉を持たないが、数や因果関係など基本的な認知をしている。

何を考えているかは完全には分からないが、学び続けている存在。

📖 出典・参考文献

  1. Spelke, E. S., & Kinzler, K. D. (2007).
    Core knowledge.
    Developmental Science, 10(1), 89–96.
    → 赤ちゃんが生得的に持つ「コア知識」(物体・数・社会的関係)について解説。
  2. Baillargeon, R. (1987).
    Object permanence in 3.5- and 4.5-month-old infants.
    Developmental Psychology, 23(5), 655–664.
    → 赤ちゃんが「物体の永続性」を理解していることを示した古典的実験。
  3. Gopnik, A., Meltzoff, A. N., & Kuhl, P. K. (1999).
    The Scientist in the Crib: Minds, Brains, and How Children Learn.
    William Morrow & Co.
    → 赤ちゃんは「小さな科学者」のように世界を探究しているとする有名な著作。
  4. Tomasello, M. (2009).
    Why We Cooperate.
    MIT Press.
    → 赤ちゃんが早期から他者の意図を理解し、協力行動を示すことを解説。
  5. 日本発達心理学会 編 (2014).
    『発達心理学事典』 丸善出版
    → 赤ちゃんの認知や思考に関する日本語での包括的なまとめ。

✅ 補足

  • 赤ちゃんは「何も考えていない」のではなく、世界のルールを探究する科学者のような存在
  • 物体の存在・人の表情・音声・社会的シグナルを理解し始めていることが数多くの研究で確認されている。