知ってないとヤバい?標識を学ぶ30日
Day11:踏切あり ― 一瞬の油断が命取り。“電車は止まれない”という事実を忘れない
道路の中でも、もっとも危険度が高い場所のひとつが 踏切 です。
鉄道は自動車やバイクと違い 急停止ができない ため、踏切での油断は重大事故につながります。
「踏切あり」の標識は、黄色の菱形に電車のシルエットが描かれたもの。
この標識を見たら、運転者は必ず速度を落とし、安全を最優先する必要があります。
Day11では、踏切あり標識の意味と、踏切進入時の正しい行動を詳しく解説します。

◆ 1.踏切あり標識=ここから先は鉄道との交差がある
踏切あり標識は、これから踏切に進入することを予告する標識 です。
踏切の種類は以下の通り:
● 遮断機(バー)と警報機がある踏切
● 警報機だけの踏切
● どちらも無い「第4種踏切」(現在はほぼ廃止されたが一部に残る)
どのタイプであっても、標識を見たら
「必ず減速し、いつでも停止できる状態にする」
ことが義務です。
◆ 2.踏切に進入する前の“必ず守るべき3つの動作”
踏切手前では、以下を徹底する必要があります。
① 減速
踏切前は必ず速度を落とし、直ちに停止できる状態をつくる。
② 一時停止(遮断機・警報機のない踏切)
昭和時代の名残で、昔は「踏切は必ず停止」でしたが、現在義務があるのは 警報機も遮断機もない踏切 のみ。
しかし、遮断機があっても音が鳴りかけている場合は、絶対に進入してはいけません。
③ 左右確認
電車が近づいていないか、線路の両方向を必ず確認。
特に夜間はヘッドライトの反射で線路が見にくくなるため、慎重な確認が必要です。
◆ 3.踏切で一番危険なのは“立ち往生”
踏切事故の中でも最も多いのが、
● 中でUターンしようとして動けなくなる
● 道路渋滞で踏切内に取り残される
というケースです。
踏切内で車が止まると、電車が気づいてもすぐには止まれません。
電車は 時速90kmでも停止まで600〜800m必要 と言われ、衝突すれば大惨事。
踏切に入る時は、
出口まで確実に抜けられるスペースがあるか
を必ず確認しましょう。
◆ 4.踏切内で起きやすい事故パターン
● 遮断機が降り始めているのに無理に渡ろうとする
● 自転車や歩行者の接触事故
● 車の底部が線路で引っかかる
● 暗闇で線路が見えず進入してしまう
● 冠水時に線路が見えず進入して立ち往生
これらはすべて、“早く渡りたい心理”が原因になります。
◆ 5.鉄道は絶対に急停止できないという事実
鉄道は車より圧倒的に重量が重いため、
急ブレーキをかけてもすぐには止まれない
構造です。
踏切事故を防ぐ最大の方法は、
踏切に入る前に100%安全確認をすること
に尽きます。
◆ 6.踏切でのNG行動
以下は絶対にやってはいけない危険行動です。
● 遮断機のくぐり抜け
● ぎりぎりで渡りきろうとする
● 警報機が鳴り始めてからの進入
● 歩行者や自転車の行動を予測せず加速
● 踏切内で停車・方向転換
これらは命に関わるだけでなく、重大な法令違反です。
◆ Day11まとめ
● 踏切あり標識=踏切があることを予告
● 進入前に必ず減速・確認
● 警報機や遮断機が作動したら絶対に入らない
● 最も危険なのは踏切内での立ち往生
● 鉄道は急停止できないことを常に意識する
次回Day12では、「学校・幼稚園あり ― 子ども最優先のエリア」 を解説します。
■ 出典
・警察庁「踏切事故防止対策」
・国土交通省 鉄道局
・鉄道総研資料
