新人社会人が知っておきたい雑学
Day11:「承知しました」と「了解しました」の違い

一見同じようで違う2つの言葉
上司や先輩からの指示に対して、新人がよく迷うのが「承知しました」と「了解しました」という返答の使い分けです。どちらも「理解しました」という意味を持ちますが、ビジネスシーンでは使う場面や相手によって印象が大きく異なります。細かな違いを知っておくことは、信頼を得るための大切なポイントです。
「承知しました」の特徴
「承知しました」は、相手の言葉を丁寧に受け止め、従う意思を示す表現です。敬語としても正しく、目上の相手に違和感なく使えるため、新人がもっとも安全に使える返答です。例えば、上司から「この資料を午後までにまとめて」と指示されたときに「承知しました」と答えれば、敬意と責任感を持って対応する印象を与えられます。
また、「承知しました」には「内容を理解し、行動に移します」というニュアンスが含まれています。単なる理解ではなく、受け止めて実行する意思を示す言葉として、ビジネスシーンでの汎用性は非常に高いのです。
「了解しました」の特徴
一方で「了解しました」は、もともと軍隊や官庁で「指令を理解した」という意味で使われていた言葉です。現代でも「理解しました」「承諾しました」というニュアンスを持ちますが、ビジネスにおいてはややフラットでカジュアルな表現とされています。
同僚や後輩とのやり取りで使うには自然ですが、上司や取引先に対して使うと「軽い」「少し馴れ馴れしい」という印象を与える場合があります。そのため、新人のうちは特に使用を控え、「承知しました」を優先する方が安全です。
NGな言い回し
さらに注意したいのが「了解です」「わかりました!」といった表現です。これらは日常会話では問題ありませんが、ビジネスでは砕けすぎて不適切とされます。特にメールや公式な場面では、誠実さに欠けると判断されてしまうため避けるのが無難です。
言葉選びが信頼を作る
言葉は小さな違いでも、相手に与える印象は大きく変わります。「承知しました」と「了解しました」の正しい使い分けを知っているだけで、「新人なのにしっかりしている」という信頼を得られるのです。
また、実際の現場では会社や部署によって「了解しました」を多用する文化が残っている場合もあります。その場合でも、新人はまず「承知しました」を基本とし、場の雰囲気を見ながら柔軟に対応していくと安心です。
まとめ
- 「承知しました」=丁寧・敬意・行動意思 → 上司・取引先向けに最適
- 「了解しました」=フラット・ややカジュアル → 同僚・部下にはOK
- 「了解です」「わかりました!」=砕けすぎ → ビジネスでは避ける
- 新人は迷ったら「承知しました」を鉄則に
社会人生活において、たった一言の違いが信頼の差につながります。言葉の背景を理解して適切に選ぶことが、できる新人への第一歩です。
📚 出典
- 文化庁「敬語の使い方」
- NHK放送文化研究所「『承知しました』と『了解しました』の違い」
- ビジネスメール実務検定協会「メールでの敬語表現」