ユーザー心理から見る広告作成術
Day15:効果的なキャッチコピーの型
キャッチコピーは広告の「顔」であり、最も短い時間で消費者の心をつかむ武器です。人は広告に触れてから数秒以内に「読むか・読まないか」を判断するといわれています。その最初の関門を突破するのがキャッチコピーの役割です。いくらデザインや商品の内容が優れていても、コピーが弱ければ目に留まらず、結果として広告効果は大きく下がってしまいます。
効果的なキャッチコピーには、いくつかの「型」が存在します。これらを理解して使い分けることで、コピーの質と訴求力を格段に高めることができます。

How to型(方法提示型)
「How to型」は「どうすれば〇〇できるか」を示すパターンです。
例:「誰でも簡単に3日でできるダイエット法」
人は「方法」や「手順」を知ることに強い欲求を持っています。そのため「これを読めば、具体的にどうなるか」が明確に示されていると、続きを読まずにはいられなくなります。
ベネフィット型(未来提示型)
「特徴」ではなく「得られる未来」を示す方法です。
例:「1日5分で英語が話せるようになる」
「商品そのもの」よりも「使った結果どう変われるか」が重要です。人は「未来の自分」に魅力を感じ、行動を起こす傾向があるため、ベネフィットを強調するコピーは感情に直結しやすいのです。
疑問形型(問いかけ型)
読み手に「自分ごと」として考えさせるパターンです。
例:「あなたはまだ高い保険料を払い続けていますか?」
疑問文で投げかけることで、読者は無意識に答えを探し始めます。この心理効果により、広告への関心を強く引き出せます。
数字型(具体化型)
「数字」を使うと信頼性と説得力が増します。
例:「売上200%アップ」「90%の人が実感」
抽象的な表現よりも具体的な数値の方がイメージしやすく、短い言葉でも強い印象を与えられるのです。特にマーケティングや健康商品などでは数字を取り入れるコピーが効果を発揮します。
組み合わせるとさらに効果的
実際の広告では、これらの型を単独で使うだけでなく、組み合わせて活用するとより効果的です。
例:「90%の人が実感!1日5分でできる英語学習法」
これは「数字型」「ベネフィット型」「How to型」をミックスさせた例で、短い文章でもインパクトと説得力を兼ね備えています。
キャッチコピー作成のコツ
ただし「型」をそのまま使うだけでは「ありきたり」になりがちです。重要なのは「自社商品ならではの強み」や「ターゲットの悩み」に合わせてアレンジすることです。ペルソナを意識し、その人が「思わず振り向く言葉」を選ぶことで、オリジナリティのあるコピーが完成します。
👉 学びのポイント
- コピーは最初の数秒で心をつかむ
- 「方法」「ベネフィット」「疑問」「数字」が強力な型
- 型を理解しつつオリジナリティを加えると効果的
📚 参考情報・出典
- ジョン・ケープルズ『ザ・コピーライティング』ダイレクト出版
- デビッド・オグルヴィ『広告界の巨人オグルヴィの広告』講談社
- Robert W. Bly, The Copywriter’s Handbook