新人社会人が知っておきたい雑学
Day15:書類の渡し方 ― 相手が読みやすい向きで

書類の渡し方が評価される理由
会議や商談、日常の業務で必ず発生するのが「書類を渡す場面」です。内容が同じ資料でも、その渡し方によって相手が受ける印象は大きく変わります。新人のうちは「とりあえず渡せばいい」と思いがちですが、実はこうした所作にこそ、仕事の丁寧さや気配りが表れるのです。
基本は「相手が読みやすい向き」
書類を渡すときの基本は、相手がすぐに読める向きに揃えて差し出すこと。自分が見やすい向きのまま渡してしまうと、相手はわざわざ回転させる手間がかかります。この一手間が積み重なると「気が利かない」と思われかねません。逆に、相手がそのままスッと読める状態で渡せば、自然と「丁寧だな」と好印象につながります。
両手+一礼で丁寧に
さらに、両手で書類を持ち、軽く一礼を添えると丁寧さが際立ちます。これは名刺交換と同じで、「片手で雑に渡す」と「大切に扱っていない」と受け取られる可能性があるからです。ビジネスマナーの基本として、両手で差し出すことを徹底しましょう。
クリップ付き資料の配慮
クリップがついた資料を渡す場合は、相手側にクリップがくるように差し出すのが親切です。逆向きに渡してしまうと、相手は資料をめくりにくくなってしまいます。こうした小さな配慮は、受け取る側に「この人は細かいところまで気を遣える」という印象を与えます。
複数枚資料の整理方法
資料が複数枚ある場合は、角をきれいにそろえてから渡しましょう。バラバラの状態で渡すと相手が整理する手間が増えてしまい、だらしない印象を与えます。逆に、そろえて渡すだけで「整理整頓ができる人」「几帳面で信頼できる人」という評価につながります。
ケース別の渡し方の工夫
- 会議で配布する場合:座席に応じて、近い人から渡す。自分が渡しやすい順ではなく「相手が受け取りやすい順」を意識する。
 - 商談で渡す場合:相手が座っているときは立った状態で差し出す。テーブル越しなら、できるだけ相手に近い位置まで手を伸ばす。
 - 上司に提出する場合:机の上に置くだけでなく、「こちらご確認ください」と一言添えて両手で渡す。
 
まとめ
- 書類は「相手が読みやすい向き」で渡すのが基本
 - 両手+一礼で丁寧さを示す
 - クリップは相手側に、複数枚は角をそろえて渡す
 - 状況ごとに「相手が受け取りやすいか」を優先する
 
書類の渡し方は数秒の行為ですが、その印象は長く残ります。新人のうちから「相手目線」で動く習慣をつければ、日常の小さなやりとりから信頼を積み上げていくことができます。
📚 出典
- 日本経済新聞「できるビジネスマンの所作」
 - PHP研究所『社会人1年目のビジネスマナー』
 - マイナビキャリア「新人が気をつけたい書類の渡し方」
 
