新人社会人が知っておきたい雑学
Day16:お辞儀の角度 ― シーンで使い分ける

お辞儀は日本人の「共通言語」
日本のビジネスシーンにおいて、お辞儀は単なる挨拶ではなく、相手への敬意や感謝を伝える「共通言語」です。言葉を交わす前に交わす仕草だからこそ、その第一印象は非常に大きな影響を与えます。新人がまず身につけるべき所作のひとつが「お辞儀の正しい角度」です。
基本となる3種類のお辞儀
お辞儀には角度によって意味合いが変わります。代表的なのは次の3種類です。
- 会釈(15度前後)
軽い挨拶や廊下ですれ違った際に用います。背筋を伸ばしたまま、軽く上体を前に傾ける程度。短時間で交わすため、自然体で行うのがポイントです。 - 普通礼(30度前後)
社内外での挨拶や来客対応で最も使われる基本のお辞儀。背筋をまっすぐにし、腰から折るように体を傾けます。新人はまずこの「30度のお辞儀」を習得するだけで、ほとんどのシーンに対応できます。 - 敬礼(45度前後)
謝罪や深い感謝を表すときに用いる丁寧なお辞儀。体をしっかりと折り、3秒程度静止することで誠意が伝わります。 
正しい姿勢と所作のコツ
角度だけでなく、姿勢や動作の美しさも印象を左右します。
- 背筋をまっすぐに保つ:猫背は不真面目に見える
 - 目線は斜め下へ:目を泳がせると落ち着きがない印象になる
 - 手の位置を固定する:男性は体の横、女性は体の前で軽く重ねるのが基本
 - 静止の時間を意識する:会釈は一瞬、敬礼は3秒を目安に
 
お辞儀と言葉の組み合わせ
お辞儀は単独で行うのではなく、言葉と一緒に使うのが基本です。
- 「おはようございます」+会釈
 - 「よろしくお願いいたします」+普通礼
 - 「大変申し訳ございません」+敬礼
 
言葉と動作がかみ合うことで、相手に誠意が自然に伝わります。
新人がやりがちなNG例
- 首だけ動かす:腰から折らないと形が崩れる
 - お辞儀しながら話す:「よろしくお願いします」と頭を下げながら言うと声がこもるため、言葉の後に頭を下げるのが正解
 - 角度が曖昧:15度と45度の区別がつかないと、相手に違和感を与える
 
まとめ
- 会釈(15度)=廊下や軽い挨拶
 - 普通礼(30度)=社内外の基本的な場面
 - 敬礼(45度)=謝罪や感謝の強調
 - 姿勢・目線・手の位置を整え、静止の時間を意識する
 - 言葉と動作を組み合わせることで誠意が伝わる
 
お辞儀は日本のビジネスマナーの基礎中の基礎です。新人のうちに「30度の普通礼」を習慣化するだけで、相手からの信頼感はぐっと高まります。
📚 出典
- 公益財団法人日本プロトコール協会「お辞儀のマナー」
 - 文化庁『敬語の指針』
 - PHP研究所『新社会人の基本マナー』
 
