謎バズ30
Day16:「運」は本当に存在するのか?

「今日は運がいい」「ツイてない日だった」──私たちは日常的に「運」という言葉を使います。
けれども、運は本当に存在するのでしょうか?
心理学的に見ると、運の感じ方には「認知のバイアス」が大きく関わっています。
例えば、偶然うまくいった出来事を強く記憶し、それを「運が良かった」と捉えるのです。
一方で、失敗や不幸な出来事は「運が悪い」とまとめてしまう傾向があります。
しかし統計学的には、偶然は確率で説明できます。
宝くじが当たるのも、事故に遭うのも、確率論的には必ず起こり得ること。
そこに「運」を持ち込むかどうかは人の解釈次第なのです。
一方で、「運を引き寄せる行動」が存在することも事実です。
ポジティブな人は人脈が広がり、挑戦の機会も増え、結果的に「運が良い」と思われやすい。
つまり運は偶然の結果でありつつも、行動次第で増減する側面を持つと言えます。
まとめ
運は科学的には「偶然の解釈」だが、行動や姿勢次第でチャンスを呼び込める。
運は存在するというより「作り出すもの」。
📖 出典・参考文献
- Wiseman, R. (2003).
The Luck Factor: The Scientific Study of the Lucky Mind.
→ イギリスの心理学者リチャード・ワイズマンが「幸運を引き寄せる思考・行動パターン」について実証研究をまとめた書籍。 - Miller, J., & Schechter, D. (1984).
Luck: A Study in Psychology and Folklore.
→ 幸運や不運に関する人間の信念や文化的背景を心理学・民俗学の両面から分析。 - Kahneman, D. (2011).
Thinking, Fast and Slow.
→ 「偶然を人は意味づけたがる」という認知バイアスを説明。運を「確率的事象」として理解する視点を提供。 - Merton, R. K. (1968).
The Matthew Effect in Science.
Science, 159(3810), 56–63.
→ 「成功する者はさらに成功する」という累積優位の法則を提示。社会的に「運がいい」とされる現象を構造的に説明。
✅ 補足
- 科学的には「運」という独立した力は存在しないとされる。
- しかし心理学的研究では、
- チャンスを見つけやすい行動パターン
- 失敗を柔軟に受け止める姿勢
が「運が良い」と感じさせる要因になることが示唆されている。