Day16:右折禁止・左折禁止 ― 時間帯指定の落とし穴。標識の“下”まで必ず見ること

知ってないとヤバい?標識を学ぶ30日

Day16:右折禁止・左折禁止 ― 時間帯指定の落とし穴。標識の“下”まで必ず見ること

交差点で特に見落としが多く、事故や違反につながりやすい標識が
「右折禁止」「左折禁止」 です。

赤い丸の中に矢印が描かれ、その矢印が斜線で消されているシンプルな標識ですが、
実は “補助標識(時間帯・曜日指定)”がつくと一気に難しくなる のが特徴です。

Day16では、右折禁止・左折禁止の正しい意味と、時間帯指定の読み方、事故防止のポイントを整理していきます。


◆ 1.右折禁止・左折禁止=その方向に曲がることを禁止する標識

基本ルールは非常にシンプルです。

● 右折禁止 → 右に曲がってはいけない
● 左折禁止 → 左に曲がってはいけない

しかし、ここに補助標識がつくと意味が変わります。


◆ 2.補助標識がある場合は「その時間だけ禁止」になることも

補助標識は標識の下に小さくついており、
● 時間
● 曜日
● 車種
などが記載されています。

例:
「7:30〜9:00」 → この時間帯だけ禁止
「日曜・祝日を除く」 → 日祝は曲がれる
「大型貨物車を除く」 → トラックのみ対象外

多くの違反者が、
「標識の上だけ見てしまい、下を見ない」
というミスをしています。


◆ 3.交差点の右折・左折は事故が最も多いポイント

右折禁止や左折禁止が設置される理由は明確です。

● 歩行者が多く、巻き込み事故が危険
● 車両同士の衝突が起きやすい
● 見通しが極端に悪い
● 渋滞を引き起こす
● 公共交通機関(バス)の妨げになる

つまり、禁止にしているのには実際の“理由”があるのです。


◆ 4.右折禁止の交差点では“直進も注意”が必要

右折禁止の交差点は、
●歩行者が大量に横断する
●対向車の量が多い
という特徴があります。

そのため、禁止されていない直進や左折でも事故が多い のが実情です。

右折だけを意識するのではなく、
「この交差点は危険だから右折禁止なのだ」
と理解することが重要です。


◆ 5.時間帯指定の落とし穴 ― もっとも誤解が多いパターン

多い勘違いは以下です。

●「9:00から右折できるつもりで曲がり、その直前に違反」
● 補助標識の“平日”を見落とし、土曜でも同じと勘違い
● 夜間のみ禁止なのに朝から曲がらない
● “大型のみ禁止”を全車禁止と誤認

交差点が混雑していると、標識をゆっくり読み取れないことも多く、
事前の意識が非常に重要 です。


◆ 6.違反した場合の罰則

右折禁止・左折禁止の違反は、
違反点数:2点
反則金:7,000円(普通車)

と比較的重めです。

特に「見落としだった」は言い訳にならず、
故意でなくても違反扱いになるため注意が必要です。


◆ 7.運転中に標識を見逃さないためのポイント

  1. 交差点の手前50m〜100mで標識を探す癖をつける
  2. 標識の“下”にある補助標識を必ず見る
  3. 混雑地域では右折・左折を控えるルート選択も有効
  4. ナビより標識を優先する

特にナビは道路規制の更新が遅れる場合があり、
常に現場の標識を最優先するのが基本です。


◆ Day16まとめ

● 右折禁止・左折禁止は方向転換の禁止
● 補助標識の内容で“時間帯のみ禁止”にもなる
● 最も事故の多い交差点で設置される
● 見落とすとすぐ違反になる
● 標識の上だけでなく“下までセット”で読むことが大切

次回Day17では、
「車線減少 ― 合流と幅員減少の違い」 を解説します。


■ 出典

・道路交通法 第3章
・道路標識令
・警察庁交通局「交差点事故の傾向」