謎バズ30
Day17:意識は脳のどこから生まれる?
「私は私だ」と感じる意識。
これは人類最大の謎のひとつです。

脳科学では、意識は神経細胞のネットワーク活動から生まれると考えられています。
特に前頭前野や視床、大脳皮質などが重要な役割を果たしているとされますが、まだ決定的な場所は特定されていません。
意識研究には「統合情報理論」や「グローバルワークスペース理論」などがあり、前者は「情報が統合されたとき意識が生まれる」と説明し、後者は「脳内の情報が広域に共有されたとき意識となる」と解釈します。
しかし、どちらの理論もまだ完全には証明されていません。
さらに哲学的には「意識は脳に還元できない」という立場も存在します。
もし意識が単なる物理現象ではなく「根源的な存在」だとすれば、科学だけでは説明できない可能性もあります。
「私はなぜ私であるのか」という問いは、今も人類の知的探究の中心にあります。
まとめ
意識の起源は未解明。
脳の働きから生まれるとする説が有力だが、哲学的にも科学的にも決定的な答えは出ていない。
📖 出典・参考文献
- Crick, F., & Koch, C. (1990).
Toward a neurobiological theory of consciousness.
Seminars in the Neurosciences, 2, 263–275.
→ 意識の神経相関(NCC)という概念を提唱し、意識研究の基盤を築いた論文。 - Tononi, G. (2004).
An information integration theory of consciousness.
BMC Neuroscience, 5, 42.
→ 「統合情報理論(IIT)」を提唱し、意識は情報の統合度から生まれるとする現代の有力理論。 - Dehaene, S., & Changeux, J. P. (2011).
Experimental and theoretical approaches to conscious processing.
Neuron, 70(2), 200–227.
→ 「グローバルワークスペース理論(GWT)」を提示。脳の広範な領域が連携することで意識が生まれるとする説。 - Edelman, G. M. (1989).
The Remembered Present: A Biological Theory of Consciousness.
Basic Books.
→ 神経ダーウィニズムに基づき、意識を脳内ネットワークの進化的選択の結果として説明。
✅ 補足
- 現在の有力な理論は
- 統合情報理論(IIT)
- グローバルワークスペース理論(GWT)
- ただし「意識が脳のどこから生まれるか」については未解明であり、科学最大の謎のひとつ。