知ってないとヤバい?標識を学ぶ30日
Day17:車線減少 ― 合流と“似て非なる”危険ポイント。幅員減少との違いも理解しよう
道路標識の中でも、運転者が即座に判断をしなければならないものが 「車線減少」 です。
黄色い警戒標識で、2本の線が1本に縮まっていくような形で描かれています。
似たような標識に「幅員減少」「合流注意」がありますが、それぞれ意味も危険度も異なります。
Day17では、この違いを理解しながら、車線減少に直面した際の正しい行動を学びます。

◆ 1.車線減少=“今走っている車線がなくなる”警告
車線減少標識は、
片側の車線が先で消滅する=車線が1本にまとめられる
ということを示しています。
例:
- 右側の車線が消える → 右車線の車は左へ移動する必要
- 左側の車線が消える → 左車線の車は右へ移動する必要
つまり、
“車線の消滅=自分が車線変更をしなければ危険”
というサインです。
◆ 2.車線減少が設置される場所は“危険箇所”が多い
車線が減る場所は、道路の構造上、事故が起こりやすいポイントです。
● トンネル入口
● 橋の手前
● 工事中の道路
● カーブと直線が切り替わる場所
● 老朽化で幅員が取れない区間
特に交通量が多い時間帯や雨天時は危険性が倍増します。
◆ 3.「車線減少」と「合流注意」の違いを理解する
多くのドライバーが混同するポイントがここ。
● 車線減少
自分の車線が“消滅”する。
→ 必ず車線変更が必要
● 合流注意(Day15)
別の道路が本線に合流してくる。
→ 自分の車線はなくならない
つまり、車線減少のほうが “緊急度が高い” のです。
◆ 4.「車線減少」と「幅員減少」は別物
似ているもう一つの標識が 「幅員減少」。
これは、道路全体の幅が狭くなる ことを示しています。
● 幅員減少
→ 車線数は変わらないが、幅が狭くなりすれ違いが危険
● 車線減少
→ 車線そのものが減る
幅員減少では車線変更は不要ですが、速度を落とすのが必須です。
◆ 5.車線減少ポイントで起きやすい事故パターン
- 消滅側の車線をギリギリまで走り、急に割り込む
- 本線側の車が“譲らない”ことで接触事故が発生
- 車線変更をしようとして後続車と衝突
- 大型車の死角に入り込んでの巻き込み事故
- 渋滞時、無理にラインを変えようとしての接触
特に、消える車線側の車が無理に前へ出ようとすると高確率で事故になります。
◆ 6.車線減少で守るべき“3つの行動”
① 早めのウインカー
車線変更は最低でも 3秒前、
理想は 30〜50m前から 点滅させること。
② 速度を落として“入りやすい間隔”をつくる
本線側の車は
● 少し減速してスペースを作る
● 急なブレーキはしない
のがポイント。
③ 一度入ったら急な加減速をしない
急減速すると後続車が驚き、追突事故につながります。
◆ 7.工事区間の車線減少は特に危険
工事中の道路は
● ラインが一時的に変更されている
● 路面が荒れている
● 作業員が近くにいる
など、安全性が大きく低下します。
車線減少の標識を見たら、
「いつも以上に慎重に」
という気持ちで運転しましょう。
◆ Day17まとめ
● 車線減少=自分の車線が消える
● 合流注意とは意味がまったく違う
● 幅員減少は幅が狭くなるだけで車線は残る
● 車線減少は事故が非常に起きやすい
● 早めのウインカーと減速が命を守る
次回 Day18:二段階右折(原付)― 実は知らない人が非常に多い重要ルール を解説します。
■ 出典
・道路交通法 第26条
・警察庁「道路構造と事故リスク」
・国土交通省「工事規制における交通対策」
