Day19:転回禁止 ― “Uターンできる場所・できない場所”の境界線を知ることが安全のカギ

知ってないとヤバい?標識を学ぶ30日

Day19:転回禁止 ― “Uターンできる場所・できない場所”の境界線を知ることが安全のカギ

道路で意外と誤解が多い標識が 「転回禁止(Uターン禁止)」 です。

車を方向転換する「転回(Uターン)」は便利な操作ですが、
場所によっては 非常に危険 で、事故の多い行為でもあります。

そのため、道路交通法では
「転回が禁止されている場所」「禁止されていなくても危険な場所」
が細かく定められています。

Day19では、転回禁止標識の意味、転回できる場所・できない場所の違い、罰則、正しい判断方法を詳しく解説します。


◆ 1.転回禁止=その場所での“Uターンが禁止”されていることを示す

転回禁止標識は、
赤い円の中に「Uターンを表す矢印」が描かれ、それに斜線が入っています。

この標識がある場所では、
例外なく Uターンはできません。

● 交差点手前
● 交差点内
● 中央分離帯付近
● 交通量が多い幹線道路
● 高速道路のIC出口付近

など、事故リスクが高い場所に設置されています。


◆ 2.転回禁止の場所は“事故が多い地点”であることが多い

転回の際、以下のような事故が起きやすくなります。

● 対向車との衝突
● バイク・自転車の巻き込み
● 後続車の追突
● 歩行者との接触
● Uターン後の車線への合流失敗

特に、交通量の多い幹線道路でのUターンは非常に危険で、
道路管理者が「ここで転回すると事故が多い」と判断した場所では
必ず転回禁止標識が設置されます。


◆ 3.標識がなくても転回が禁止される場所がある

実は「標識がない=どこでも転回してOK」ではありません。

道路交通法では、以下の場所では標識がなくても転回が禁止されています。

横断歩道・自転車横断帯の上
安全地帯の付近
見通しの悪いカーブ
トンネル内
踏切内
坂道の頂上付近

これらの場所では、転回そのものが非常に危険なため、
標識の有無にかかわらず禁止です。


◆ 4.逆に「転回してもよい」場所の例

● 中央分離帯が途切れている場所
● 転回専用レーンのある交差点
● 信号機で転回が認められている交差点

ただし、
“右折可”=転回も可ではない
ことに注意。

信号の指示と道路標識を合わせて確認しなければなりません。


◆ 5.転回禁止違反の罰則

● 違反点数:1点
● 反則金:6,000円(普通車)

大きな違反ではありませんが、
「見落としていた」「注意しなかった」という理由で切られることが多く、
ドライバーからの相談が多い違反のひとつです。


◆ 6.安全に転回するためのポイント

転回が許可されている場所でも、以下の点に注意が必要です。

● 対向車の速度を必ず確認
● バイクは小さいため、死角に入りやすい
● 歩行者信号を必ず確認
● Uターン後の車線にスムーズに入れる速度調整
● 無理なタイミングで強引に回らない

転回は意外と高度な運転操作で、
“強引に行こうとするほど危険”
になります。


◆ Day19まとめ

● 転回禁止=その場所でのUターンが例外なく禁止
● 標識なしでも禁止の場所がある(横断歩道・踏切・トンネルなど)
● 幹線道路など事故が多い場所で設置される
● 違反点数1点でも見落としやすい
● 転回は慎重に、無理をしない判断が重要

次回 Day20では、
「駐車禁止・駐停車禁止 ― 見落とすと一発アウトの重要標識」
を解説します。


■ 出典

・道路交通法 第34条(転回)
・道路交通法 第50〜51条(駐停車)
・警察庁交通局「転回事故の傾向」