新人社会人が知っておきたい雑学
Day2:「お疲れさまです」と「ご苦労さまです」の違い

毎日の挨拶に潜むビジネスマナー
社会人になると日々の挨拶が重要になります。その中でも頻繁に使われるのが「お疲れさまです」と「ご苦労さまです」。どちらも労いの言葉ですが、実は使い分けを間違えると相手に不快な印象を与えてしまうことがあります。新人がまず身につけたいのは、この二つの言葉の正しい使い方です。
「ご苦労さまです」は上から目線?
「ご苦労さまです」は、本来 目上の人が目下に対して労う言葉 です。部下や後輩に向けて使うのは自然ですが、新人が上司や先輩に言ってしまうと「上から目線」に受け取られてしまう危険があります。例えば、上司が残業をしているときに新人が「ご苦労さまです」と声をかけたら、意図せず失礼な印象を与えてしまうのです。
「お疲れさまです」は万能フレーズ
一方「お疲れさまです」は、立場を問わず幅広く使える言葉です。上司や先輩、同僚、さらには部下に対しても自然に使えます。廊下ですれ違うとき、社内メールの冒頭、会議の締めくくりなど、さまざまなシーンで役立つ万能フレーズです。
また、ただの形式的な言葉にせず、 「いつもありがとうございます」「本日もよろしくお願いします」 と具体的な感謝や前向きな一言を加えると、さらに温かみが増して好印象につながります。
NGな使い方
新人が避けたいのは、次のような使い方です。
- 上司に「ご苦労さまです」と言う
- 適当に流すように「お疲れっす」と砕けすぎる表現を使う
- 相手を見ずに無表情で言う
挨拶は形だけでなく「声のトーン」と「表情」によっても印象が変わります。笑顔や軽い会釈を添えるだけで、同じ言葉でも受け取られ方は格段に良くなります。
ちょっとした工夫で差がつく
例えば終業時の挨拶でも、ただ「お疲れさまです」だけでなく、
「本日もありがとうございました。先に失礼いたします」
と一言添えると、礼儀正しさと気遣いが伝わります。
また、メールでの挨拶も同様です。
「お疲れさまです。○○部の△△です。」
と冒頭に加えるだけで、相手に安心感を与える効果があります。
まとめ
新人が迷ったときは 「お疲れさまです」を基本に使う のが安全です。
- 「ご苦労さまです」は原則、目上の人から目下への言葉
- 「お疲れさまです」は立場を問わず使える万能フレーズ
- 笑顔や一言を添えることで温かみが増す
言葉は小さな違いでも信頼感に直結します。挨拶を丁寧に使い分けられる新人は、それだけで「安心して任せられる」と評価されるのです。
📚 出典
- NHKビジネススクール「ビジネスマナー講座」
- 日本経済新聞「挨拶の言葉、正しい使い分け」
- 『入社1年目の教科書』岩瀬大輔(ダイヤモンド社)