知ってないとヤバい?標識を学ぶ30日
Day20:駐車禁止・駐停車禁止 ― “止めていい・ダメ”の境界を正しく理解しないと即違反に
運転者が最も見落としやすく、違反になりやすい標識のひとつが、
「駐車禁止」 と 「駐停車禁止」 です。
どちらも“車を止めてはいけない”という点では似ていますが、
実は 止められる時間のルールが大きく異なります。
また、標識がなくても法律上“絶対に止めてはいけない場所”もあるため、
正しい知識がないと簡単に違反になってしまいます。
Day20では、駐車禁止と駐停車禁止の違い、標識の読み方、取り締まりでよくある誤解を整理します。

◆ 1.駐車禁止=5分以内の停車は OK。長く止めるのは NG
駐車禁止標識(青丸に赤斜線1本)は、
短時間の停車は認められるが、駐車はできない 場所です。
● OK(停車扱い)
・5分以内の荷物の積み下ろし
・人の乗降
・信号・渋滞での停止
● NG(駐車扱い)
・5分以上止まる
・運転者が車から離れる
・エンジンを切って待機する
多くの人が「ちょっとなら良いでしょ?」と考えがちですが、
5分を超えると“駐車”と見なされる ため注意が必要です。
◆ 2.駐停車禁止=一瞬でも止まったら違反
駐停車禁止標識(青丸に赤×印)は、
停車も駐車も禁止 の強い規制です。
● 1秒でも止まったらアウト
● 人の乗降もNG(例外あり)
● 荷物の積み下ろしも不可
特に、
・交差点付近
・道路の曲がり角
・交通量の多い幹線道路
には駐停車禁止が多く、取り締まりも厳しくなります。
◆ 3.補助標識の“時間指定”が非常に重要
駐車禁止・駐停車禁止には、
以下の補助標識がつくことがあります。
● 7:00〜9:00
● 土日祝を除く
● 日曜・祝日
● 大型車を除く
例:
「7:30〜9:00 駐停車禁止」
→ この時間帯は一瞬でも止まれない
→ それ以外の時間は“駐車禁止”に変わる可能性もある
標識の下を見逃すと、
「停めていい時間とダメな時間」を誤解しやすくなります。
◆ 4.標識がなくても“絶対に駐停車が禁止”の場所
道路交通法では、以下の場所は標識がなくても完全に駐停車禁止です。
● 横断歩道・自転車横断帯の上
● 交差点・その側端から5m以内
● 踏切の前後
● バス停から10m以内
● トンネル内
● 坂道の頂上付近
● 安全地帯のそば
● カーブで見通しの悪い場所
特に、交差点5m以内は非常に違反者が多く、
「少しくらいなら…」と思って停めるとほぼアウトです。
◆ 5.取り締まりでよくある誤解
● 「エンジンかけてたから停車です」 → 関係なし
● 「人を降ろしてただけ」 → 駐停車禁止ならNG
● 「近くに停めてる人もいる」 → 道路状況は関係なし
● 「数分だからいいと思った」 → 時間が基準ではなく行為が基準
● 「ハザードつけてれば大丈夫」 → 全く関係なし
“短時間だからOK”は間違い です。
◆ 6.駐停車の判断ミスが招く事故
駐停車違反は、
● 自転車の転倒
● 見通し阻害
● バイクの衝突
● 子どもの飛び出し事故
など、事故のきっかけにもなります。
特に、通学路での違法駐車は毎年問題になっており、
「少し止めただけ」が重大事故につながることがあります。
◆ Day20まとめ
● 駐車禁止=短時間停車はOK
● 駐停車禁止=一瞬でも停止NG
● 補助標識の時間帯は絶対に確認
● 標識がなくても完全禁止の場所が多い
● 取り締まりは非常に厳しいので注意
次回 Day21:幅員減少 ― “道が急に狭くなる”場所の危険性 を解説します。
■ 出典
・道路交通法 第44〜45条(駐停車禁止)
・警察庁「駐停車違反の取り締まり状況」
・国土交通省「見通しを阻害する駐停車の危険性」
