知ってないとヤバい?標識を学ぶ30日
Day21:幅員減少 ― “道そのものが狭くなる”危険ポイント。対向車との接触を防ぐために
道路標識の中で、特に山道・農道・住宅街で頻繁に登場するのが
「幅員減少」 の警戒標識です。
黄色い標識に“左右から線が迫ってくる”デザインで、
これは 「この先、道路の幅が狭くなる」 ことを示しています。
運転者がスピードを出したまま進むと、
● 対向車と接触
● ガードレールに接触
● 脱輪
などが起きやすくなるため、即座に判断できるようにしておく必要があります。

◆ 1.幅員減少=“車線数は変わらないが、道の幅が狭くなる”
車線数が減る「車線減少」と違い、
幅員減少では車線そのものは残ります。
つまり、
● 対向車とすれ違うスペースが狭くなる
● 路肩が極端に狭くなる
● ガードレールが近づく
● カーブで道幅が急に細くなる
といった状況が起こります。
特に、
大型車やワンボックスカーは幅があるためリスクが高い
ポイントです。
◆ 2.どこで幅員減少が起きるのか?
幅員減少標識がある場所は、以下のような地形や条件が多いです。
● 山道や峠道
● 川沿いや崖沿いの道
● 古い住宅街の細い道
● 農道や林道
● 工事中で片側が狭くなっている区間
● トンネル入口付近
特に山道では、
「落石注意」「カーブ注意」とセットで設置されることが多い」
という特徴があります。
◆ 3.幅員減少と車線減少の違いを正しく理解する
似ているようで、実は役割が大きく異なります。
| 標識 | 意味 | 行動 |
|---|---|---|
| 車線減少 | 2車線→1車線など車線がなくなる | 必ず車線変更 |
| 幅員減少 | 道の幅が狭くなるだけ | 減速・すれ違いに注意 |
つまり、
幅員減少=車線変更不要、だが慎重な運転が必要
ということです。
◆ 4.幅員減少で起きやすい事故パターン
- 対向車とミラー同士が接触する“ミラー衝突”
- 路肩に寄りすぎて脱輪
- ガードレールへの接触
- 大型車とのすれ違いで恐怖からハンドルを切りすぎる
- カーブで対向車がセンターラインをはみ出してくる
特にミラー同士の接触は非常に多く、
「少し寄せただけ」のつもりでも幅が足りないことがあります。
◆ 5.幅員減少での安全運転ポイント
●① 速度を落とす
最も重要。20〜30km/h程度まで落とすのが理想。
●② 対向車の動きを読む
大型車の場合は、すれ違いスペースを探して待つのが安全。
●③ 路肩の白線を“目安”にする
道幅が狭い時は、白線を基準に真っ直ぐ走ると安定します。
●④ 夜間・雨天は特に慎重に
狭い道はヘッドライトが対向車に反射し、見づらくなることがあります。
◆ 6.住宅街での幅員減少は子どもに注意
住宅街では、
● 自転車
● 子ども
● 歩行者
が突然現れるリスクが高くなります。
幅員減少=“車のすれ違いだけのリスク”と思いがちですが、
住宅街ではむしろ歩行者の危険が増すため、
徐行レベルまで速度を落とすのがベスト です。
◆ Day21まとめ
● 幅員減少=道路の幅が狭くなる警告
● 車線は減らないが危険度は高い
● ミラー接触・脱輪事故が多い
● とにかく「減速」+「予測」が必要
● 住宅街では歩行者のリスク増
次回 Day22:道路工事中の臨時標識 ― 意味がわからないまま進むと危険 を解説します。
■ 出典
・道路交通法 第71条(安全運転義務)
・警察庁「狭隘道路における事故統計」
・国土交通省「山間部の道路構造に関する資料」
