Day25:資料のファイル名 ― 後で探せる工夫

新人社会人が知っておきたい雑学

Day25:資料のファイル名 ― 後で探せる工夫

「資料.pdf」は時間泥棒

社会人になると、企画書や報告書、会議用資料など、多くのファイルを扱うようになります。新人がよくやってしまうのが「資料.pdf」「会議用.docx」といった曖昧な名前で保存してしまうこと。保存直後は覚えていても、1週間後には「どれが最新版?」「どの会議用?」と混乱し、探すだけで無駄な時間がかかります。

IDC Japanの調査では、ビジネスパーソンは 1日平均約150分を情報検索に費やしている とされています。ファイル名の付け方ひとつで、この時間を大幅に削減できるのです。

正しいファイル命名の3要素

分かりやすいファイル名のコツは 「日付」「用途」「担当者」 を組み合わせることです。
例:

  • 2025_05_営業会議資料_山田.pdf
  • 2025_05_顧客向け提案書_A社_佐藤.pptx

これだけで「いつ」「何の資料」「誰が作成したか」が一目で分かり、検索性が格段に向上します。

チームでのルール化が鍵

さらに効果的なのは、部署やチームで命名ルールを統一すること です。例えば「YYYYMMDD_案件名_担当者」という形式に揃えると、数百件のファイルでも整然と並びます。これにより「誰の資料か分からない」「最新版が見つからない」といったトラブルを防ぐことができます。

総務省の「テレワークセキュリティガイドライン」でも、ファイル命名規則の共有は情報管理の基本と位置づけられています。整理は効率化だけでなく、セキュリティ対策の一環でもあるのです。

探す時間を減らす=信頼を増やす

ファイル名が整理されていないと「探す時間」が増え、仕事のスピードが落ちます。逆に「すぐに出せます」と提示できる人は、信頼度が一気に上がります。特に新人は実績が少ない分、「準備の良さ」「整理力」で評価されやすいのです。

また、情報を探すストレスが減ることで、業務の集中力も高まります。机の整理整頓と同じように、データの整理も「できる人」の必須スキルなのです。

習慣化のポイント

  • ファイルを保存するときに 必ず命名ルールを思い出す
  • 曖昧な名前で保存してしまったら その場で修正する
  • 定期的にフォルダを見直し、命名ルールが守られているか確認する

こうした小さな習慣が、大きな効率化につながります。

まとめ

  • 「資料.pdf」はNG。日付・用途・担当者を入れる
  • 部署ごとに命名ルールを統一すると混乱が減る
  • 探す時間を減らすことは、信頼を増やすことにつながる
  • 習慣化すれば「探さない働き方」が可能に

ファイル名は単なるラベルではなく、未来の自分やチームメンバーへのメッセージです。整理整頓の意識をファイルにも持つことで、新人の評価はぐっと高まります。


📚 出典

  • IDC Japan「情報検索にかかる業務時間調査」
  • 総務省「テレワークセキュリティガイドライン」
  • 野口悠紀雄『「超」整理法』