新人社会人が知っておきたい雑学
Day26:数字の読み方 ― 誤解を減らすコツ

数字の伝え方で信頼が変わる
ビジネスシーンでは、会議や電話、商談などで数字をやり取りする場面が非常に多くあります。売上、納期、数量など、数字は仕事の成果や約束そのものを表すため、誤解が生じると大きなトラブルにつながります。特に新人が注意すべきは、数字を明瞭に伝える習慣を持つこと です。
「し」と「しち」の落とし穴
日本語では「四(し)」と「七(しち)」が特に聞き間違えやすい数字として知られています。電話や会議で早口に伝えると、「4」と「7」を逆に記録されるケースは珍しくありません。そのため、ビジネスの現場では 「よん」「なな」 と言い換えるのが基本です。
また、「0」も「ゼロ」と発音するのが鉄則です。「れい」と言うと「例」と混同される可能性があるためです。こうした言い換えは一見小さな工夫ですが、誤解を防ぎ、信頼性を高める大切なマナーなのです。
英字の読み上げにも工夫を
数字だけでなく、メールアドレスや製品番号などで英字を伝える際にも注意が必要です。例えば「B」と「D」、「M」と「N」などは聞き間違えやすい代表例です。そこで有効なのが 確認フレーズ を添えること。
例:「『D』はデザインの『D』です」「『B』はボールの『B』です」
これは国際的にも用いられる手法で、航空業界や軍隊では「フォネティックコード」と呼ばれる規則が定められています。ビジネスでそこまで厳密でなくても、相手に分かりやすく伝える工夫は信頼につながります。
誤解を防ぐための二重チェック
数字やアルファベットを伝えるときは、復唱の習慣 を持つことも効果的です。相手から伝えられた数字を「確認ですが、〇〇ですね」と繰り返すだけで、聞き間違いのリスクを大幅に減らせます。日本経済新聞でも「復唱はミス防止の最もシンプルかつ効果的な方法」と紹介されています。
新人に求められる意識
新人にとって大切なのは「自分の伝え方が相手にどう聞こえるか」を常に意識することです。数字を正確に伝える習慣は、地味に見えても「丁寧で信頼できる人」という評価を得る強力な武器になります。特に顧客や上司との会話では、こうした小さな配慮が信用に直結します。
まとめ
- 「四」「七」は「よん」「なな」と言い換える
- 「0」は必ず「ゼロ」と発音する
- 英字は「DはデザインのD」のように説明を添える
- 復唱を習慣にし、誤解を防ぐ
- 数字の伝え方の工夫が、新人の信頼感を高める
数字はビジネスの共通言語です。だからこそ、誤解を生まない丁寧な伝え方を意識することが、新人にとって大きな評価の分かれ道となるのです。
📚 出典
- 日本経済新聞「数字の伝え方で防ぐミス」
- 国際民間航空機関(ICAO)「フォネティックコード規則」
- NHK放送文化研究所「日本語の数字の言い換えと聞き間違い」
