新人社会人が知っておきたい雑学

Day29：コピー機の使い方 ― 小さな気遣いで差をつける

オフィスで最も多くの人が使う共有機器のひとつがコピー機です。単純な作業に見えますが、実はここでの振る舞いにその人の気配りやマナーが表れます。新人にとってコピー機の扱い方は、「細かいところまで気を配れる人」として評価される絶好のチャンスなのです。

コピーを終えたら、まずは 設定を元に戻す ことが基本です。拡大縮小や両面印刷などの設定をそのままにしておくと、次の人が誤って印刷してしまう原因になります。また、原稿台に紙くずや指紋が残っていないか確認することも大切です。こうした小さな配慮の積み重ねが、周囲からの信頼につながります。

さらに、用紙が残り少なくなっていたら補充しておくことも良い印象を与えます。「次の人が困らないように」という意識は、まさに社会人として求められる基本姿勢です。

大量印刷をしているときに、後ろで「1枚だけ急ぎたい」という人がいたらどうするか。そんなときに「先にどうぞ」と譲れるかどうかが、新人の評価を大きく左右します。コピー機の前で待つ時間は誰にとってもストレスですが、だからこそ譲り合いの姿勢が光るのです。

米国心理学会の研究でも、「些細な親切が組織内の信頼を強める」と報告されています。コピー機の前での一言が、思わぬ好印象を生むこともあるのです。

紙詰まりやエラーが出たときに、何もせず放置してしまうのはNGです。自分で解決できない場合でも、せめて管理部門や担当者に連絡を入れることが大切です。エラーのまま放置されると次の人が困り、余計なトラブルにつながります。

また、「自分がやったわけではないから」と知らん顔するのではなく、少しの時間を割いてでも改善に動こうとする姿勢が、周囲からの信頼を得るきっかけになります。

コピー機のマナーは、直接的に業績に影響するものではありません。しかし、上司や同僚はこうした小さな行動をしっかり見ています。「コピー機をきれいに使える人は、きっと仕事も丁寧だろう」という評価につながりやすいのです。

逆に、コピー機を雑に扱い、用紙切れや設定を放置して帰ってしまう新人は「細かい気配りができない人」と見なされ、信頼を失ってしまうこともあります。

コピー機は、ただの道具ではなく「新人の気配り度を測るリトマス試験紙」です。ここでの行動が、思わぬ信頼の貯金になることを意識してみましょう。

American Psychological Association「The Role of Everyday Kindness in Organizational Trust」
総務省「オフィスの情報機器利用に関するガイドライン」
日本経済新聞「コピー機に見る職場マナー」