Day29:リーダーシップ ― 人を導く影響力の本質

最初は謎だよね!よく聞くビジネス用語

Day29:リーダーシップ ― 人を導く影響力の本質

「リーダーシップ(Leadership)」という言葉を聞くと、どんなイメージを思い浮かべますか?
「カリスマ性」「強い発言力」「部下を引っ張る力」――
そんなイメージを持つ人も多いでしょう。

しかし、現代のビジネスにおけるリーダーシップは、
**“指示を出す力”ではなく、“人を動かす信頼と影響力”**へと変化しています。


🔹 リーダーシップの定義

リーダーシップとは、目的に向かって人々を導く影響力のこと。
肩書きや地位ではなく、人の心を動かす力に本質があります。

ハーバード大学のジョン・コッター教授はこう述べています。

「マネジメントが“複雑さへの対応”だとすれば、リーダーシップは“変化への対応”である。」

つまり、組織を維持するのがマネジメント、
変化を起こし、人を巻き込むのがリーダーシップです。


🔹 リーダーシップとマネジメントの違い

項目マネジメントリーダーシップ
目的現状を維持し、効率を上げる変化を起こし、方向性を示す
手法計画・管理・統制ビジョン・共感・影響
求められる力論理性・実行力感情知性・信頼・人間力

どちらが優れているという話ではなく、
組織に必要なのは両方のバランス
「管理」だけでは動かず、「情熱」だけでも進まない。
この2つを使い分けるのが真のリーダーです。


🔹 リーダーシップの3つのタイプ

  1. ビジョン型リーダー(Visionary)
     未来像を明確に描き、メンバーに共有するタイプ。
     例:イノベーションや変革を推進する経営者。
  2. サーバント型リーダー(Servant)
     メンバーを支え、力を引き出すタイプ。
     例:チームの幸せや成長を最優先するリーダー。
  3. コーチ型リーダー(Coaching)
     質問や対話を通じて、自発的な行動を促すタイプ。
     例:育成やチーム学習を重視するマネージャー。

現代では、上から命令するリーダーよりも、
「信頼で人を動かすリーダー」が求められています。


🔹 リーダーに必要な3つの力

  1. ビジョンを描く力(Vision)
     チームの“向かう先”を明確にし、共感を生む。
  2. 人を信じる力(Trust)
     メンバーを信頼し、任せる勇気を持つ。
  3. 学び続ける力(Learning)
     変化に対応し、自ら成長し続ける姿を見せる。

リーダーの姿勢は、チーム全体の行動を映す“鏡”です。


🔹 現場での使われ方

「あの人は自然にチームをまとめるリーダーシップがある。」
「もっと若手にもリーダーシップを発揮してほしい。」

このように、“役職”に関係なく、「影響力」や「主体性」を発揮できる人を指して使われます。
近年では「セルフリーダーシップ(自分を導く力)」という概念も注目されています。


🔹 良いリーダーの共通点

  • 聞く力がある
  • 感謝とフィードバックを忘れない
  • 失敗を責めず、次の挑戦を促す
  • 自ら率先して行動する

リーダーとは、「チームの中で最も信頼される人」。
威厳ではなく、信頼と共感で人を導く存在なのです。


🔹 まとめ

リーダーシップとは、人を導く影響力のこと
その力は地位や年齢ではなく、「信頼」「共感」「行動」から生まれます。

“人を動かす前に、自分が動く”。
それがリーダーシップの第一歩。
どんな立場でも発揮できる――
それが、この言葉の本当の価値です。


📚 出典

  • John P. Kotter “What Leaders Really Do”
  • Harvard Business Review “The Real Definition of Leadership”
  • 経済産業省「次世代リーダー育成プログラム」