Day3:学習の忘却曲線(エビングハウスの式) ― 効率的に覚える

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30の豆知識方程式

Day3:学習の忘却曲線(エビングハウスの式) ― 効率的に覚える

📖 はじめに

「昨日覚えたはずなのに、もう忘れてしまった…」
こんな経験は誰にでもあります。実は人間の記憶には法則があり、放っておくと急速に忘れてしまう のです。その仕組みを示したのが「エビングハウスの忘却曲線」。学びを効率化するための“方程式”といえる理論です。


📉 忘却曲線とは?

ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスが19世紀に行った実験によると、人は学習した内容を次のように忘れていきます。

  • 20分後:42%を忘れる
  • 1時間後:56%を忘れる
  • 1日後:74%を忘れる
  • 1週間後:77%を忘れる
  • 1か月後:79%を忘れる

つまり、学んだ直後から急激に忘れていく のです。しかし、復習を繰り返すことで忘却のスピードは緩やかになり、長期記憶として定着していきます。


🔁 効率的な復習タイミング

エビングハウスの研究から導かれる最適な復習法は「間隔反復」。具体的には、次のタイミングで復習するのが効果的とされています。

  1. 学習直後(10分以内)に軽く見直す
  2. 翌日にもう一度復習する
  3. 1週間後に復習する
  4. 1か月後に復習する

この「1・1・7・30」のサイクルで繰り返すと、効率的に記憶が定着します。


🎯 実生活での活用例

  • 資格勉強:テキストを読んだら、翌日に軽く問題を解いて確認
  • 語学学習:新しい単語は翌日に復習 → 1週間後に再テスト
  • 仕事のスキル習得:研修やセミナー後に必ず翌日メモを見返す

「どうせ忘れる」ことを前提に計画を立てると、無理なく学びを習慣化できます。


💡 忘却曲線から得られる教訓

  1. 一度の長時間学習より、短時間で繰り返した方が効率的
  2. 「忘れる前に復習する」ことがポイント
  3. 学習は“貯金”ではなく、“鍛錬”に近い

🌅 まとめ

エビングハウスの忘却曲線は「人間は忘れる生き物」であることを前提にした学習法です。
大切なのは「忘れないように必死に覚える」ことではなく、「忘れる前に復習する」 というリズムを作ること。
資格試験、語学、ビジネススキル――すべての学びに応用できる普遍的な方程式です。


📚 出典

  • Hermann Ebbinghaus, Über das Gedächtnis (1885)
  • 東京大学 大学院教育学研究科「学習科学」講義資料
  • NHK出版「よくわかる記憶の仕組み」