新人社会人が知っておきたい雑学
Day3:印鑑の朱肉はすぐ乾かない ― 書類をきれいに仕上げるコツ

押印は社会人の基本動作
社会人になると、契約書や申請書、稟議書など「印鑑を押す」機会が増えます。一見シンプルな作業に思えますが、実は新人がつまずきやすいのがこの「押印」。特に朱肉の扱いを誤ると、せっかくの書類が汚れてしまい、丁寧さを欠く印象を与えてしまいます。押印はただの形式ではなく、文書の信頼性を保証する重要なプロセスなのです。
朱肉は意外と乾かない
新人がよくやってしまうのが「押印後すぐに紙を重ねてしまう」こと。朱肉はすぐには乾かず、数十秒から数分は完全に乾きません。そのため、押した直後に書類をめくったり、他の紙を重ねたりすると、にじみや写りが発生してしまいます。これが繰り返されると、書類全体が見苦しくなり、相手に「雑な人」という印象を与えかねません。
ポイントは「押印後は30秒待つ」こと。
このひと手間を習慣化するだけで、仕上がりが大きく変わります。
きれいに押すコツ
印鑑をまっすぐに、垂直に押すことが基本です。斜めに押すと印影が欠けたり、にじんだりしてしまいます。さらに、力を均等にかけることも大切です。
- 強すぎると朱肉がはみ出す
- 弱すぎると印影が薄くなる
また、枠からはみ出さず、右寄せや中央にきれいに収めるのがマナーとされています。少しの違いですが、印象は大きく変わります。
応急的な工夫
どうしても時間がない場合は、押印部分に薄紙(吸い取り紙やコピー用紙)を軽くあてておくのも有効です。これにより朱肉の乾きが早まり、にじみを防げます。とはいえ、やはり「30秒待つ」のが最も確実です。
押印後の扱い方
押印した書類を相手に渡す際は、印影部分に指が触れないよう注意が必要です。また、契約書のように複数ページに押す「契印」や「割印」の場合は、ズレないように慎重に扱いましょう。こうした細部への配慮が「丁寧な人」という評価につながります。
避けたいNG行動
- 印鑑をポケットやカバンの中に裸で入れる
- 朱肉が不足している状態で押して印影がかすれる
- 印鑑を斜めに押す
これらは信頼を損なう行動です。印鑑ケースや朱肉を常に清潔に保つのも、社会人の基本姿勢といえるでしょう。
まとめ
「印鑑の朱肉はすぐ乾かない」という小さな知識を知っているだけで、書類の仕上がりが整い、あなたの評価も変わります。
- 押印後は30秒待つ
- 垂直に、均等な力で押す
- 印影や枠に気を配る
これらを習慣化することで、書類の完成度が上がり、「信頼して任せられる人」としての評価を得られるのです。
📚 出典
- 総務省 行政手続きに関する文書取扱い指針
- 日本経済新聞「若手社員が知っておきたい押印の基本」
- 『新社会人のためのビジネスマナー』高橋書店