Day30:自分の広告を作って公開

ユーザー心理から見る広告作成術

Day30:自分の広告を作って公開

いよいよ最終日です。この30日間で学んできた心理学や広告の基本原則を総動員して、実際に「自分の広告」を作り、世の中に公開してみましょう。知識を頭の中に留めるだけではなく、アウトプットして反応を得ることが、最も確実にスキルを身につける方法です。

商品・サービスを決める

まずは題材を決めましょう。実際に自分が提供している商品やサービスでも良いですし、仮想のものでも構いません。大切なのは「誰かに届けたい」という前提を持つことです。

ペルソナを設定する

広告は「誰に向けて作るのか」がすべてです。年齢、性別、職業、価値観、悩みなどを具体的に想像し、まるで実在の人物のように描きます。例えば「30代・子育て中の母親で、時間がなくても手軽に健康を維持したい」というように、リアルな人物像を作ることで、言葉やデザインが具体化します。

心理トリガーを選ぶ

30日間で学んだ心理トリガーの中から、商品の特性に合うものを一つ選びましょう。数量限定なら「希少性」、利用者の声を集めているなら「社会的証明」、体験版があるなら「返報性」など。複数を無理に盛り込むより、一つを明確に打ち出す方が響きやすいです。

キャッチコピーを作る

広告の命はコピーです。「ベネフィットを端的に伝える」ことを意識してください。特徴ではなく、利用者の未来を描く言葉を選ぶのがポイントです。例えば「高性能フィルター付き空気清浄機」ではなく、「朝起きた瞬間に深呼吸したくなる空気へ」といった形です。

デザイン要素を考える

色やフォント、視線誘導の配置は心理的効果に直結します。信頼を伝えたいなら青、活力を伝えたいなら赤、安心感なら緑といったように色彩心理を活用しましょう。人の目はZ型・F型に流れるため、重要な情報をそのルートに置くと自然に読まれます。

媒体を決めて公開する

最後に「どこで公開するか」を選びます。SNS広告ならシェアによる拡散を狙えますし、ブログ記事なら検索流入を見込めます。チラシやポスターなら地域密着の強みを活かせます。媒体によってコピーやデザインの調整も必要です。

フィードバックを受ける

広告は公開して初めて「反応」が返ってきます。クリック率やシェア数、売上だけでなく、「コメント」「口コミ」といった定性的な声も貴重な学びです。そして改善を繰り返すことで、広告の精度は高まっていきます。

👉 学びのポイント

  • 知識を実践に移すことが成長の鍵
  • フィードバックは最高の学習材料
  • 広告は「知識+行動+継続」で力になる

この30日間の学びはスタート地点にすぎません。今後は実際に広告を作り、公開し、改善を続けることで、本当の広告クリエイターとして成長していくことができます。


出典・参考文献

  • ロバート・B・チャルディーニ『影響力の武器』(誠信書房, 2014)
  • ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー』(早川書房, 2012)
  • 日本広告学会『広告効果の理論と実証』(有斐閣, 2015)