最初は謎だよね!よく聞くビジネス用語
Day4:ROI ― 投資の効果を数値で測る指標
ビジネスの世界では、何かにお金や時間をかけたときに「その投資は成果につながったのか?」を判断することが重要です。
このときによく使われるのが ROI(アール・オー・アイ) という指標です。
ROIとは Return on Investment(投資収益率) の略。
つまり「投資した金額に対して、どれだけ利益を得られたか」を表す数値です。
投資が効果的だったかどうかを、感覚ではなく数字で評価できるのがROIの特徴です。

🔹 ROIの基本式
ROIは次のような式で計算されます。
ROI(%)=(利益 ÷ 投資額)× 100
たとえば、あるマーケティング施策に100万円を投資して、120万円の利益を得た場合、
ROIは「(120万円−100万円)÷100万円=0.2」つまり 20% になります。
このように、ROIが高いほど投資効果が高く、低い(あるいはマイナス)場合は、投資に見合った成果が出ていないことを示します。
🔹 日常の例で考えてみよう
たとえば、あなたがカフェを経営しているとします。
SNS広告に10万円を使った結果、来店客が増え、売上が15万円伸びた。
この場合、ROIは「(15−10)÷10=0.5」、つまり 50%。
広告に使ったお金の1.5倍の売上が返ってきたということになります。
また、ROIはお金に限らず、「時間」や「労力」に対しても使えます。
たとえば、新しいツールを導入して作業時間が半分になった場合も、それは“時間投資に対するリターン”が高いという意味で、ROIの考え方が応用できます。
🔹 よくある誤解と注意点
ROIは便利な指標ですが、短期的な数字だけで判断してはいけません。
たとえば、新規顧客獲得のための施策は、最初はROIが低くても、リピーター化すれば長期的にはプラスになることもあります。
また、ROIだけを重視すると、短期的な利益に偏り、ブランド価値や顧客満足度といった“見えない資産”を損なうリスクもあります。
そのため、ROIを使うときは「期間」や「目的」を明確にして分析することが大切です。
🔹 現場での使われ方
企業では、広告・開発・人材育成など、あらゆる投資の成果を測る際にROIが用いられます。
たとえばマーケティング部では「このキャンペーンのROIは30%」といった形で報告が行われます。
また、経営者が新規プロジェクトを検討する際にも、「ROIが見込めるか?」が判断基準のひとつになります。
ROIの高い施策にリソースを集中し、低い施策を改善または中止する――このサイクルが企業の成長を支える重要な考え方です。
🔹 まとめ
ROIとは、**「投資した分に対してどれだけ成果を得たか」**を示す指標。
数字として明確に表せるため、意思決定の根拠を作る上で欠かせない考え方です。
ただし、ROIは万能ではなく、短期と長期のバランスを取って判断することが重要です。
お金・時間・労力――どんな投資にもROIの考え方を取り入れると、仕事も日常も「費やす価値」がより明確に見えてきます。
📚 出典
- 経済産業省「経営指標におけるROIの活用ガイドライン」
- 日本マーケティング協会『ROIで見る広告効果分析』
- Harvard Business Review “Measuring ROI: Beyond Financial Returns”
