知ってないとヤバい?標識を学ぶ30日
Day5:徐行 ― 止まれではないが“最も誤解されやすい”危険回避の速度
「徐行」という言葉は、運転者なら誰もが知っているものの、実際には “曖昧に理解されている”代表的な交通ルール です。
多くの人が「いつでも止まれるくらいの低速」と思い込んでいますが、道路交通法では徐行は明確に定義されています。
誤解されたまま運転してしまうと、歩行者事故や交差点事故につながる可能性が高く、非常に危険です。
Day5では、「徐行とは何か?」を正しく整理し、事故を防ぐためのポイントを学びましょう。

◆ 1.徐行=“ほとんど止まるレベル”の超低速
道路交通法での徐行の定義は以下の通りです。
● 徐行とは:直ちに停止できる速度(一般的には時速4〜5km)
「直ちに停止できる」という点がポイントで、
ブレーキを踏めば一瞬で止まれる速度
と理解すべきです。
一般的に以下のような誤解が見られます。
× 時速20kmぐらい → 遅いから徐行でしょ?
× 周りに車がいないから10kmでもいいよね?
すべて誤りです。
歩く速度(時速4〜6km)と同じか、それより遅いくらいが徐行です。
◆ 2.徐行が義務づけられる場所
道路上には、必ず徐行すべき場所があります。代表的なものがこちらです。
① 見通しの悪い交差点
建物・フェンス・車の陰などで左右が確認できない場所。
② 曲がり角
T字路・カーブで視界が急に狭くなるポイント。
③ 道路幅が極端に狭い場所
すれ違いが難しい道、歩行者が近くにいる地域など。
④ 子どもが多いエリア
学校、公園、通学路は徐行が推奨されます。
⑤ 道路工事中
標識や誘導員がある場合は必ず徐行。
⑥ バス・路面電車との関係
路面電車に並行して走るときなど、法律上徐行が義務になる場面があります。
徐行は「状況に応じた安全確保」のための速度なのです。
◆ 3.徐行と一時停止の違いを理解する
徐行と一時停止の最大の違いは、「車が動いているかどうか」です。
● 徐行 → “動いている”が、すぐ止まれる
● 一時停止 → “完全に止まる”義務
例えば見通しの悪い交差点では、
● 最初は徐行で近づき
● 必要に応じて完全停止
というように、両方を使い分けます。
◆ 4.徐行を怠ると起きやすい事故
警察の事故分析でも、徐行不足の事故は以下のケースが多く発生しています。
● 角から出てきた自転車と衝突
● 駐車車両の陰の歩行者をはねる
● 狭い道路ですれ違いの接触事故
● 子どもの飛び出し
これらはすべて「徐行していれば防げた」事故で、加害者も被害者も大きな損害を受けることがあります。
◆ 5.徐行のコツは“ブレーキに足を乗せたまま”走ること
徐行がうまい人は、以下の特徴があります。
● 常にブレーキペダルに軽く足を置く
● 右足をアクセルに置かない
● 視線を広く取り、建物の影を警戒
● 歩行者の動きを優先して判断
徐行は、技術というよりも「意識」の問題です。
◆ 6.徐行が法的に義務づけられる標識がある
青い丸に白い漢字で「徐行」と書かれた標識があります。
この標識が出ている場所では、必ず徐行しなければなりません。
違反した場合は、
● 違反点数:2点
● 反則金:7,000円(普通車)
が科されます。
◆ Day5まとめ
● 徐行=直ちに停止できる速度(4〜5km/h)
● 止まれとは違うが、非常に重要な安全動作
● 見通しの悪さ・歩行者の多さで徐行が必要
● 事故の多くは“徐行不足”で起きる
● ブレーキに足を置く運転が有効
次回Day6は 「最高速度 ― 標識がない時の速度上限」 を解説します。
■ 出典
・道路交通法 第2条(徐行の定義)
・道路交通法施行令
・警察庁交通局「交通事故統計」
