ストレス削減ライフハック30日チャレンジ
Day6:お気に入りの香りを使う ― 五感からストレスを癒すアロマの力
ストレス削減ライフハック30日チャレンジ、6日目は「お気に入りの香りを使う」です。香りは目に見えませんが、私たちの感情や記憶に大きく影響を与えます。好きな香りをかぐだけで気分が落ち着いたり、懐かしい思い出がよみがえったりする経験は誰にでもあるはずです。実はこの現象は脳の仕組みによるもので、ストレスケアに積極的に活用できます。

香りと脳の関係
香りの刺激は鼻から嗅神経を通じて大脳辺縁系に直接届きます。大脳辺縁系は感情や記憶を司る部分であり、香りが「心に響く」理由はここにあります。つまり、香りは思考を介さず、ダイレクトに感情へ作用するのです。
たとえばラベンダーは自律神経を落ち着かせ、不安を和らげる効果が報告されています(Koulivand et al., 2013)。柑橘系の香りは気分を高め、リフレッシュさせる作用があり、ローズマリーやペパーミントは集中力や記憶力の向上にも役立つといわれています。
科学的エビデンス
- 日本アロマ環境協会(AEAJ)の調査によると、アロマを活用した人の約7割が「気持ちが前向きになった」と回答。
- Koulivandらのレビュー研究(2013)では、ラベンダー精油の吸入が不安軽減や睡眠改善に有効であるとまとめられています。
- Moss et al. (2003) は、ローズマリーやラベンダーの香りが記憶や注意力に影響を与えることを報告しています。
これらの結果からも、香りが心身に与える影響は科学的に裏付けられているといえます。
実践方法
- アロマディフューザーを使う
部屋全体に香りを広げ、リラックス空間をつくる。 - ハンカチやマスクにひと吹き
外出先でもお気に入りの香りを持ち歩けます。 - バスタイムで香りを楽しむ
入浴剤や精油を湯に数滴入れると、リラックス効果が倍増。 - 寝る前のリチュアルに
枕元にラベンダーを置くと、眠りが深まりやすくなります。
大切なのは「自分にとって心地よい香り」を選ぶことです。一般的にリラックス効果があるとされる香りでも、人によっては逆に苦手に感じることがあります。好きな香りはそれだけで安心感につながるので、直感を大切にしましょう。
まとめ
Day6の「お気に入りの香りを使う」は、手軽に取り入れられるストレス軽減法です。脳に直接作用する香りは、短時間で気分を切り替えたり、安心感をもたらしたりする強力なツール。日常にほんの少し香りを取り入れるだけで、ストレスと上手に付き合えるようになります。
出典
- Koulivand, P. H., Khaleghi Ghadiri, M., & Gorji, A. (2013). “Lavender and the Nervous System.” Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine, 2013, 681304.
- Moss, M., Cook, J., Wesnes, K., & Duckett, P. (2003). “Aromas of rosemary and lavender essential oils differentially affect cognition and mood in healthy adults.” International Journal of Neuroscience, 113(1), 15–38.
- 日本アロマ環境協会(AEAJ)「アロマテラピーの効果に関する調査」