Day7:車両進入禁止 ― 歩行者ゾーンへの誤進入は重大事故につながる

知ってないとヤバい?標識を学ぶ30日

Day7:車両進入禁止 ― 歩行者ゾーンへの誤進入は重大事故につながる

「車両進入禁止」は、多くの運転者が“なんとなく進入禁止の一種”と捉えていますが、実は 赤い丸の標識の中でも特に歩行者保護を目的とした重要な標識 です。

Day3で解説した「進入禁止」は“特定方向から車の進入を禁止するもの”でしたが、
今回の 「車両進入禁止」 は、そのエリア自体に車が入ることを禁止する強い意味を持っています。

特に、歩行者天国や学校周辺の道路で誤進入すると、重大事故につながりかねません。
Day7では、この標識の違いと注意点をしっかり理解していきましょう。


◆ 1.車両進入禁止とは?

車両進入禁止は、すべての車両(自動車・バイク・原付)がその区間に入ることを禁止する標識 です。

赤い丸の中に「白い横棒」がある進入禁止とは違い、
車両進入禁止は 赤い丸の中が“空白のみ” になっています。

● 車両進入禁止

= 車という存在そのものが入ってはいけない場所
(方向は関係なく、区間そのものが立入禁止)

● 進入禁止(Day3)

= ある方向から入れないだけで、逆方向からは入れる

両者の違いを混同すると、誤進入して歩行者と接触する危険が高まります。


◆ 2.この標識が設置される場所は“歩行者が最優先”のエリア

車両進入禁止は、次のような場所に多く設置されています。

歩行者天国(ホコ天)
商店街のイベント開催時
通学路(登下校の時間帯)
公園周辺の歩行者エリア
観光地の遊歩道

この標識がある理由はただ一つ。
「歩行者の安全を最優先にするため」 です。

特に子どもやお年寄りが多い場所では、車が通行すると非常に危険なため、全面的に車両の進入を禁止しています。


◆ 3.時間指定付きの車両進入禁止もある

商店街や通学路では、次のような補助標識が付くことがあります。

● 「7:30〜8:30」
● 「日曜・祝日」
● 「自転車は除く」

このような時間指定は、
「その時間帯だけ車が入れない」
という意味です。

補助標識は見落としやすいため、標識の下までしっかり視線を向ける癖が必要です。


◆ 4.誤進入で起きる事故の典型例

車両進入禁止を無視すると、以下の事故が起こりやすくなります。

● 店や家から歩行者が飛び出してきて接触
● 子どもが路上で遊んでおり衝突
● 高齢者の歩行速度に気づかず追突
● ベビーカーや車椅子と接触
● 商店街のイベント中に大事故

これらは車がそもそも入ってはいけないエリアだからこそ、事故のリスクが極めて高いのです。


◆ 5.違反すると罰則は?

車両進入禁止違反は、進入禁止違反と同じく

違反点数:2点
反則金:7,000円(普通車)

が科せられます。

しかし最も重いのは罰金ではなく、歩行者事故を起こす危険性が非常に高いことです。


◆ 6.車両進入禁止を見落とさないためのコツ

  1. 交差点に入る前から標識を探す
  2. 赤い丸は必ず注意して見る
  3. 補助標識の有無を確認する
  4. 人通りの多い場所は“車が入れない可能性”を意識する

特に商店街や学校周辺は、標識を出す理由がしっかりある場所。
油断は絶対に禁物です。


◆ Day7まとめ

● 車両進入禁止=そのエリア全体に車両が入れない
● 進入禁止(方向)とは意味が異なる
● 歩行者天国や通学路に多い
● 時間指定付きは補助標識に注意
● 誤進入は重大事故につながる

次回 Day8:通行止め ― 災害時に頻発する重要標識 を解説します。


■ 出典

・道路交通法 第17条
・道路標識令
・警察庁交通局「交通規制の概要」