ストレス削減ライフハック30日チャレンジ
Day8:小さな成功を記録する ― 達成感でストレスを跳ね返す
ストレス削減ライフハック30日チャレンジ、8日目は「小さな成功を記録する」です。私たちは日々の生活の中で、多くのことをこなしています。しかし忙しい日常では、できなかったことばかりに目が向きがちです。その結果「自分はまだ足りない」「今日も十分じゃなかった」と感じ、ストレスを溜めてしまいます。そこで意識的に「できたこと」を記録する習慣を持つことで、心のバランスを整えることができます。

「できたこと」に注目する心理学的効果
ポジティブ心理学の研究では、日常の小さな成功や感謝を言語化することが幸福感を高め、ストレス耐性を強くすることが示されています(Fredrickson, 2001)。小さな達成を記録することで脳は「自分は進んでいる」というシグナルを受け取り、自己効力感が高まります。自己効力感とは「自分はやれる」という感覚のことで、これが高い人ほどストレスに強く、困難に前向きに取り組めるといわれています。
また、達成感は脳内でドーパミンを分泌し、やる気や快楽を感じさせます。小さな成功を積み重ねて記録することで、ポジティブなサイクルが生まれ、日常のストレスが軽減されるのです。
実践方法
- 寝る前に1行日記
今日できたことを1つ書く。「洗濯を済ませた」「散歩できた」など小さなことでOK。 - ToDoリストの完了を記録
チェックマークをつけるだけでも達成感が増す。 - SNSやメモアプリで共有
人に見せる必要はなく、自分の記録用で十分。 - 「できたことボックス」をつくる
紙に書いて箱に入れ、後で振り返ると自己肯定感が高まる。
ストレス削減につながる理由
「できなかったこと」ばかり意識すると、脳は失敗や不足感を繰り返し強調します。これを心理学では「ネガティビティ・バイアス」と呼びます。しかし「できたこと」を意識すると、そのバイアスが修正され、バランスが取れるようになります。
さらに、積み重ねた記録を見返すことで「自分は成長している」という確信を持てるようになり、困難に直面しても落ち込みにくくなります。これはストレスマネジメントにおいて非常に有効な方法です。
続けるためのコツ
- 書く量は1行で十分。長文は続きにくいため、シンプルにする。
- 毎日同じ時間に記録すると習慣化しやすい。
- 無理にポジティブなことを書こうとせず、「小さな前進」でOK。
まとめ
Day8の「小さな成功を記録する」は、ストレス社会を乗り越えるための心の筋トレです。大きな成果を待たなくても、日々の小さな一歩を積み重ねることで自己肯定感が高まり、ストレスを跳ね返す力が育ちます。今日から1行だけでも「できたこと」を書いてみませんか?
出典
- Fredrickson, B. L. (2001). “The role of positive emotions in positive psychology: The broaden-and-build theory of positive emotions.” American Psychologist, 56(3), 218–226.
- Bandura, A. (1997). Self-Efficacy: The Exercise of Control. Freeman.
- Seligman, M. E. P. (2002). Authentic Happiness. Free Press.