謎バズ30
Day9:タイムトラベルは理論的に可能?
映画や小説で人気のテーマ「タイムトラベル」。

はたして科学的には可能なのでしょうか。
アインシュタインの相対性理論によれば、時間は絶対的なものではなく「相対的」に流れます。
高速で移動すると時間が遅れる「時間の伸び」が観測されており、宇宙飛行士が地上よりわずかに時間を遅く進むことは実際に確認されています。
つまり「未来への片道旅行」は理論上すでに可能です。
しかし「過去への旅行」となると問題が複雑です。
ワームホールや宇宙の特異点を利用すれば理論的に可能という説もありますが、膨大なエネルギーや因果律の矛盾(祖父殺しのパラドックス)が障壁になります。
科学的には「完全なタイムトラベルは未解明」であり、もし可能になるとしても遥か未来の話といえるでしょう。
まとめ
未来への時間移動は理論的に可能だが、過去へのタイムトラベルは矛盾やエネルギー問題で実現困難。
📖 出典・参考文献
- Einstein, A. (1916).
Die Grundlage der allgemeinen Relativitätstheorie.
Annalen der Physik, 49, 769–822.
→ アインシュタインの一般相対性理論。強い重力場における時間の遅れが「未来へのタイムトラベル」の基礎となる。 - Gödel, K. (1949).
An Example of a New Type of Cosmological Solution of Einstein’s Field Equations of Gravitation.
Reviews of Modern Physics, 21(3), 447–450.
→ 「回転宇宙モデル」を提案し、過去へのタイムトラベルの可能性を理論的に示した。 - Morris, M. S., Thorne, K. S., & Yurtsever, U. (1988).
Wormholes, Time Machines, and the Weak Energy Condition.
Physical Review Letters, 61(13), 1446–1449.
→ ワームホールを時間移動の手段として利用できる可能性を論じた有名な研究。 - Novikov, I. D. (1989).
Time Machine and Self-Consistent Evolution in Problems with Self-Interaction.
Physical Review D, 42, 1057.
→ 「自己無矛盾原理(Novikov Self-Consistency Principle)」を提唱し、過去改変のパラドックスを回避する枠組みを提示。
✅ 補足
- 未来への時間旅行(時間の遅れ)は相対性理論により「理論的に可能」。
- 過去への時間旅行はワームホールや回転宇宙などの仮説はあるが、実現には未解決の問題が多い。