知ってないとヤバい?標識を学ぶ30日
Day9:横断歩道 ― 歩行者優先は“絶対原則”。守らないと一発アウトの重大違反
道路交通法の中でも、もっとも厳格に守らなければならないルールのひとつが “横断歩道での歩行者優先” です。
横断歩道の標識や道路標示は、歩行者が安全に横断できるように設けられたものですが、実際には多くの車が歩行者を優先できず、事故や違反につながっています。
Day9では、横断歩道標識の意味、運転者の義務、取り締まりが増加している理由などを整理し、絶対に守るべきポイントを学びます。

◆ 1.横断歩道の標識は“歩行者最優先”のサイン
横断歩道には以下の2つの標識・標示があります。
● 青地に歩行者のシルエットの標識(横断歩道あり)
● 道路に描かれた白いストライプ(横断歩道)
これらがある場所では、運転者は歩行者の存在を最優先で確認しなければなりません。
横断歩道に向かうとき、
歩行者がいない場合でも減速義務がある
という点は見落とされがちです。
◆ 2.歩行者が渡ろうとしている時は“必ず停止”
道路交通法では、
横断歩道を渡ろうとしている歩行者がいた場合、
車は必ず横断歩道の手前で一時停止する義務
があります。
歩行者が渡っている途中はもちろん、
● 横断歩道の手前に立っている
● 歩行者が渡ろうとする素振りを見せた
この段階でも停止しなければなりません。
つまり、
「渡ってくるかわからないからそのまま行った」
は完全にアウト
ということです。
◆ 3.歩行者妨害は“最も取り締まりが強化されている”違反
警察の取り締まりで、ここ数年特に強化されているのが 歩行者妨害。
歩行者がいるのに止まらない車が多いためです。
違反すると、
● 違反点数:2点
● 反則金:9,000円(普通車)
と、かなり重い扱いになります。
特に信号のない横断歩道では、
「歩行者が完全に渡り終えるまで待つ」
のが法律で義務付けられています。
◆ 4.歩行者が“いない時”のルール
歩行者がいない場合は、通過しても違反ではありませんが、
● 必ず減速する
● いつでも停止できる体制にする
● 歩行者の動きを予測する
これがルールです。
歩道の陰に隠れた子ども、自転車が急に横断を始めるケースも多く、油断は禁物です。
◆ 5.横断歩道で起きやすい事故の特徴
● 右折・左折の車が歩行者を見落とす
● 交差点手前の停止車両の陰から歩行者が出てくる
● スマホに気を取られた歩行者
● 夜間で歩行者が見えにくい
● スピードが速くて止まれない
これらすべて、“横断歩道は歩行者優先”という意識があれば防げる事故です。
◆ 6.横断歩道優先は“世界基準”
日本では歩行者妨害違反が多いですが、欧州などでは当たり前のように歩行者優先が徹底されています。
横断歩道を見たら、
● まず減速
● 歩行者を優先
● 完全に渡り終えるまで待つ
これが国際的なマナーでもあります。
◆ Day9まとめ
● 横断歩道は“歩行者最優先”
● 渡り始めはもちろん、渡ろうとする動きがあれば停止義務
● 歩行者妨害は重い違反
● 歩行者がいなくても減速が必要
● 意識を変えるだけで事故は大幅に減少
次回 Day10:優先道路 ― 事故の8割が“優先”の理解不足 を解説します。
■ 出典
・道路交通法 第38条(横断歩道の歩行者優先)
・警察庁 交通部「歩行者妨害に関する取り締まり強化」
・国土交通省「歩行者事故の要因分析」
